武力紛争、武力衝突、外国語訳は行政側判断次第

2017年04月09日 17:56

 緒方林太郎衆院議員(民進党)が「アームドコンフリクト」について、外務省が「武力紛争」と訳したり「武力衝突」と訳したりしているのは「日本がPKOを出しているところは武力紛争と書くとまずいから武力衝突と訳しているのではないか」と提起し、訳するうえで、『明確な区分』を質問主意書で政府に求めた結果、政府は答弁書で「外務省による外国語の訳出については用語が用いられている文脈、趣旨等を総合的に勘案し、個別具体的に判断して行う」と行政側判断で、恣意的匙加減の加わる余地のあることが分かった。

緒方議員が「アームドコンフリクト」を武力紛争と訳すケースと武力衝突と訳すケース、それぞれどういう基準で、これまでどういうケースがあったか、代表的なものを資料で示すよう求めたことには「アームドコンフリクトを武力紛争と訳すケースと武力衝突と訳すケースの代表的なものを一概にお示しすることは困難である」と事実上『ゼロ回答』。

 緒方議員は3月10日の衆院外務委員会でこの問題を質疑し、その後「外務省から何の連絡もなかった」として「このような対応が行われるのは全省庁中、外務省のみ。したがって、質問主意書にて質問する」と先の質問主意書を3月22日付けで提出。政府は31日、外国語の訳出は「文脈、趣旨等を総合的に勘案し、個別具体的に判断している」と答え、武力紛争と武力衝突の訳の代表的ケースを示すのは「困難」と答えた。(編集担当:森高龍二)