安倍晋三総理は10日開いた政府与党連絡会議で、憲法改正を求める集会に寄せたビデオメッセージの中で、自民党総裁として、憲法9条の1項、2項を残したうえで、自衛隊を明記したい、改正憲法を2020年に施行したい、としたことに触れ「5月3日、憲法施行70年を迎えた。これを機に憲法改正に向けたフォーラムへのビデオメッセージ等を通じて、自民党総裁として憲法改正についての考えを公にさせて頂いた」とあいさつした。
安倍総理は、このメーセージが「国会における議論の活性化、国民的な議論の深まりを期待したもの」と語り「今後、大いに国会、両院の憲法審査会において、政党間での議論を深めてまいりたいと思います」と政党間での議論が深まるよう努める姿勢を示した。
外交では、韓国の新大統領に文在寅(ムン・ジェイン)氏が就任したことを踏まえ「韓国は戦略的利益を共有する最も重要な隣国であり、北朝鮮問題で連携して対処するとともに、未来志向の日韓関係を発展させていきたい」と述べた。
また、ロシアとの関係については「先月末、モスクワを訪問し、プーチン大統領と平和条約締結問題についてじっくりと話し合った。史上初めて元島民の方々の航空機による墓参を6月に実現させること、共同経済活動の官民現地視察団を今月派遣することなどに合意した」と成果を伝えた。
北朝鮮に関しては「国際社会の強い警告を無視し、4月に3回の弾道ミサイル発射を強行するなど挑発行動を続けている。米国、韓国、中国、ロシアなど関係国と緊密に連携し、引き続き強く自制を求めていく」と語った。
また「米空母打撃群と海上自衛隊、航空自衛隊の共同訓練を実施するなど、平和安全法制によって一層強まった日米同盟の絆を更に強化している」としたうえで「北朝鮮による更なる挑発の可能性も十分考えられることから、引き続き、高度な警戒態勢を維持し、万全の態勢をとっていく」とした。(編集担当:森高龍二)