ローソン<2651>が広島地盤の中堅コンビニ・ポプラ<7601>への出資比率を5→18%に引き上げると発表した。ポプラが6月に行う第三者割当増資をローソンは約9億円引受け。ローソンのポプラに対する出資比率は、現在の5.0%から18.2%に上昇し、これまでの第3位株主から、ポプラ目黒社長に次ぐ第2位株主に浮上する。尚、今回の第三者割当増資の一部は目黒社長も引受け予定であり、引き続き目黒社長は筆頭株主の座を維持する。
両社は2014年12月の資本業務締結以降、既に協業関係にあるがローソンによる更なる出資比率の引き上げにより、PB商品の供給増等の関係を一層深化させる予定である。
ローソンは他コンビニチェーン店とこれまで緩やかな提携関係を結んでいる。自社の独自路線のセブンイレブン<セブン&アイHD・3382>や、M&A路線で拡大を続けるファミリーマート<ユニー・ファミリーマートHD<8028>の路線とは、一線を画す事業展開を行ってきた。しかしながらファミリーマートがサークルKサンクスと統合したことにより、市場シェアは3位となっており、セブンイレブンとファミリーマートとの差も拡大。市場が飽和しつつあるコンビニ業界において、シェア拡大のためには次なる一手が必要とされている。
ローソンは親会社・三菱商事<8058>の経営関与が深まっており、またこれまで他コンビニとは提携関係で臨む経営方針を主導の玉塚社長が4月に社長退任を発表しており、今後の三菱商事主導のローソンの経営方針に注目が集まっている。
広島及び中国地区を中心に独特の存在感を発揮したポプラも、前期は営業利益・経常利益が赤字転落し、競争の激しいコンビニ業界において厳しい状況に置かれている。当期も営業利益では赤字の計画となっており、経営改善は待った無しの状況となっている。
三菱商事x主導の経営体制となりつつあるローソンがポプラに対し、今回の出資比率引き上げを契機に、最終的にはスリーエフ同様に事業統合にまで踏み込むのか、今後注目を浴びることになりそうだ。(編集担当:久保田雄城)