共謀罪はプライバシーの権利を侵害と異例の声明

2017年06月06日 06:24

 表現の自由やプライバシーなど捜査機関による一般人への権利侵害が懸念されるテロ等準備罪創設法案に対し、5日、国際ペンのジェニファー・クレメント会長が「国際ペンは、いわゆる『共謀罪』という法律を制定しようという日本政府の意図を厳しい目で注視している」と異例の声明を発表した。

 声明のタイトルには「共謀罪は日本の表現の自由とプライバシーの権利を侵害する」と警告するもので、いかに、今回のテロ等準備罪創設が民主主義の根幹を揺るがすことにつながりかねない内容を含むものかを改めて浮き彫りにしている。

同会長は「同法が成立すれば、日本における表現の自由とプライバシーの権利を脅かすものとなるであろう」と断定。

「私たちは日本国民の基本的な自由を深く侵害することとなる立法に反対するよう、国会に対し強く求める」と法律を成立させないよう、賢明な選択を求めている。

国際ペンは1921年に設立され、95年以上の歴史を持つ国際組織で、2万6000人以上の作家やジャーナリストなどが参加している。ロンドンに本部を置いている。

テロ等準備罪創設法案については、民進党など野党4党は過去3回廃案になった共謀罪と本質は変わっていない、恣意的解釈で一般人が対象になり得るなど、国民の懸念が解決されていないとして、廃案を目指しているが、慎重な審議を求める世論と離れ、政府と自民、公明、維新は今国会での成立を目指している。自民党は5日の役員会でも今国会での成立を図ることを確認した。(編集担当:森高龍二)