自民党の下村博文幹事長代行は18日のNHK番組で、学校法人加計学園(岡山市)の大学への獣医学部新設をめぐる疑惑に関して否定するとともに、今回、文科省、内閣府を動かすきっかけとなった真相究明の糸口となる「総理の御意向」「内閣府の最高レベルが言っている」などの文書が「存在する」「本物だ」と記者会見で語った文部科学省の事務レベルのトップだった前川喜平・前文部科学事務次官に対する証人喚問については「すでにあちこちで発言されている」などとして、証人喚問する必要はないなどと逃げた。
下村幹事長代行は「前川氏は現役の時に言わないで、辞めた後に、ああだ、こうだというのはひどい」などと批判。「すでに本人はいろんな所で(発言し、情報を)発していますから、今更、国会で聞くようなことではない」などと偽証罪に問われる重みのある証言を記者会見などで発した証言と同レベルに扱い、前川氏の発言に、より重い意味を持たせることに拒否反応を示した。影響の大きさを回避したとみられる。
日本共産党の小池晃書記局長は、加計学園疑惑について日本経済新聞が1万人を対象にしたネット調査では「政府の説明に納得できないは81%、前川さんの説明に納得できるが74%だ」と政府の説明がまったく理解されていないとし、客観的な資料を示し、説明する責任が政府にあることを強調した。
小池書記局長は「今回の内閣府と文科省の調査でも、文科省の方が資料を出している。前川さんの言っていることに問題があるというなら証人喚問で質せばいいではないか」と証人喚問を強く求めた。証人喚問については同番組に出席した民進党の野田佳彦幹事長、自由党の玉城デニー幹事長、社会民主党の吉川元副幹事長も与党に応じるよう求めた。(編集担当:森高龍二)