防相(暴走)発言に辞任や罷免要求の声相次ぐ

2017年06月29日 06:48

稲田朋美防衛大臣が都議選自民党候補者応援の際に「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」などと語ったことに、稲田防衛大臣は後に発言を撤回したものの、野党からは辞任や総理に罷免を求める声が相次いでいる。

社会民主党の又市征治幹事長は「稲田発言は、自衛隊の政治利用であるとともに、公職選挙法136条の2の公務員の地位利用の禁止の趣旨にも抵触する問題発言」とコメント。「即刻辞任すべき」と辞任を求めた。

 又市幹事長は「自衛隊の責任者として隊務を統括する防衛相が自衛隊法61条で制限されている自衛隊員の政治的行為を呼びかけたとすれば、到底看過できない」と指摘。

今回の発言について「防衛大臣による、防衛省、自衛隊の私物化であり、社民党として、自衛隊法すら遵守できず、自衛隊の政治的中立性を脅かす稲田防衛相に対し、即刻辞任するよう求める」としている。また安倍晋三総理には「任命責任を厳しく追及する」とした。

また自由党の小沢一郎代表はツイッターで「防衛大臣が自民党都議候補を『防衛省、自衛隊としてお願いします!』だそうである。一体自衛隊を何と戦わせるつもりなのか」と書き込み「これほどおぞましい権力の私物化はない」と指摘した。

そして「日報は隠す、戦前を大枠肯定、森友事件では結局遁走。安倍政権を止めないと、この国は本当に戦前に戻ることになる」と憲法・公選法・自衛隊法を逸脱した不可思議発言の防衛大臣に強い懸念と憂慮を示した。

日本共産党の志位和夫委員長も「隊員の政治的行為を厳しく制限した自衛隊法61条に反するとわざわざ言わずとも、普通の常識に照らしてありえない発言」とし「実力組織が特定政党を応援したら、どんなに危うい社会になるか。法律も常識もわからない人に大臣の資格なし」と指摘。

志位委員長は「稲田防衛大臣は、これまでも南スーダンPKOの日報隠蔽、森友疑惑にかかわる虚偽答弁、教育勅語称賛と大臣失格の言動を重ね、野党は繰り返し罷免を求めてきたが、首相は庇い続けてきた。今度の件でも庇う態度をとるならば、首相もいよいよ資格なしとなる。ただちに罷免を」と罷免するよう求めた。(編集担当:森高龍二)