6月26日、タカタ<7312>が民事再生法の適用を申請し、国内自動車メーカーが相次いで適示開示している。
東京商工リサーチによると、自動車メーカーでいち早く適示開示したのは、本田技研工業<7267>。「タカタ株式会社の民事再生手続開始の申立等に伴う当社連結業績への影響について」を開示した。タカタへの引当金額は言及していないが、ホンダの有価証券報告書では、2014年度(2015年3月期)に約1,200億円、2015年度に約4,360億円の合計約5,560億円をエアバッグインフレーターに関連する製品保証引当金繰入額としている。
ホンダの担当者は、「5,560億円はリコール措置によって将来発生すると合理的に見積もった金額。(当該金額の取り扱いについて)タカタと協議を重ねているが、現時点でホンダの債権に計上していない。今期(2017年度)は、多額の製品保証引当金の計上予定はない」。
トヨタ自動車<7203>は、「タカタ株式会社の民事再生申立て等に伴う債権の取立不能等のおそれに関するお知らせ」をリリースした。タカタと海外子会社を「相手方」と表記し、「相手方に対する債権の種類及び金額」でリコール費用(既届出分)に係る求償債権等は5,700億円としている。この金額は将来有する求償債権の見込み額も含む。トヨタ自動車に見込み額の算定方法などを尋ねたが、返答はなかった。
その他、SUBARU、日産自動車(株)<7201>、三菱自動車工業<7211>、マツダ<7261>も、業績への影響についてそれぞれ適示開示している。
6月26日15時00分までに適示開示したトヨタ、ホンダ、スバル、日産、三菱自、マツダのうち、東京商工リサーチの取材にコメントを避けた日産、三菱自を除く4社は、今後もタカタと取引継続の意向をみせている。(編集担当:慶尾六郎)