テロ等準備罪処罰法が11日施行されるが、東京地検公安部長として組織犯罪処罰法の運用にあたった経験のある若狭勝衆院議員(無所属、法案審議当時は自民党議員)が先月15日のブログで「テロを計画した、という証拠が収集できる見込みがない」と指摘したうえで「計画に加わった者が反省悔悟して、警察に出頭し詳細を自白すれば『計画』に関する証拠か得られるが、そのようなことは自爆まで想定しているテロリストの場合、現実的でない」と実効性に疑問を指摘していた。
若狭議員は「今の法制度のもとでは、証拠収集手段が乏しく、『計画』、『共謀』の立証が困難。証拠が収集できないのであれば、裁判官が逮捕令状を発付することができない。それにもかかわらず、いかにもテロ等準備罪を創設すればテロ防止に役立つような印象を与えるのは国民を騙すことになる」と野党だけでなく、法案に詳しい夜盗議員からも「国民を騙すことになる」と懸念と表明。
若狭議員は党内議論でも「テロを未然に防止する効果があると錯覚させ、国民を騙すことになるからやめるべき」「テロという言葉を入れた名称を付けることにも絶対反対」と主張。ブログには「この種の捜査の責任者として、実際の捜査を知り尽くしている立場にあり、テロの未然防止に役立つという言い方は明らかに間違っている」と明言していた。
テロ対策より、政治活動や社会運動などに当局側が調査や捜査活動しやすくする治安維持法的な問題が払拭できないままになっている。(編集担当:森高龍二)