東芝が8月より東証2部降格へ

2017年07月08日 08:20

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東芝が8月に東証1部より2部に降格されることが決定。東芝は債務超過を解消し上場廃止を避けることができるのか、今後の東芝経営陣の舵取りが注目される

 東芝<6502>が8月に東証1部より2部に降格されることが決定。東京証券取引所<日本取引所グループ:8697>が同社を8月1日付で2部に指定替えすると発表した。

 東芝は2017年3月期の監査法人の監査を得た決算の発表が行われておらず、また有価証券報告書の提出もなされていない。しかしながら、東京証券取引所は5月に東芝が発表した決算見通しより、17年3月期末時点で同社が債務超過であったと認定した。

 東京証券取引所のルールでは、上場企業が2期連続で債務超過となると自動的に上場廃止となる。今回の東証の措置はルールに基づいた措置であり、8月より東芝は上場廃止の猶予期間に入ることとなる。最終的に2018年3月期末時点で債務超過が確定した場合、東芝の上場廃止が決定する。

 原発事業における巨額損失を受け東芝は大幅な赤字に陥っているが、監査手続きが遅れており17年3月期の決算の確定が行われていない。株主総会においても、決算は後日の臨時株主総会で報告することとなっている。また本来6月末が有価証券報告書の提出期限であるが、東芝は提出期限の延期を関東財務局に申請している。

 東芝は半導体メモリー事業の売却により債務消化を解消し、上場を維持する計画としている。半導体メモリー事業の売却は入札手続きが進んでおり、産業革新機構を中心とする日米韓連合が優勢との報道が相次いでいるが、提携先のウェスタン・デジタルが売却に反対しており、売却実現にはまだ紆余曲折が生じる可能性もある。

 東京証券取引所のルールでは2期連続の債務超過となると上場廃止は免れないため、今後東芝は半導体メモリー事業の売却が時間との戦いとなる。現状約2兆円での買収提案と受けている東芝のメモリー事業であるが、時間の経過とともに足元を見られかねない。提携先のウェスタン・デジタルの反対がある中でも、東芝はメモリー事業の売却を行い、債務超過を解消し上場廃止を避けることができるのか、今後の東芝経営陣の舵取りが注目される。(編集担当:久保田雄城)