アジア5ヶ国の若手ビジネスマン 職業観の違い

2017年07月16日 14:24

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リクルートワークス研究所が、アジアの若手ビジネスパーソンがどのような職業意識を持っているのかを発表した

 リクルート(リクルートHD)<6098>の研究機関・リクルートワークス研究所が、世界で類を見ない試みとして、アジア8ヶ国を含めた世界13ヶ国の20代、30代大卒者の入・転職実態に関する調査を行った。 中国、韓国、 インド、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、日本における調査結果の中から、アジアの若手ビジネスパーソンがどのような職業意識を持っているのかを発表した。

 まず注目したいのは『大学卒業後の初めの就職先を見つけた経路 』である。「就職サイト・情報誌」の割合が高いのが日本(37.7%)、マレーシア(34.7%)、 「就職サイト・情報誌」と「家族や知人の紹介」が拮抗するタイ、 「家族や知人の紹介」が高いのが、ベトナム(36.2%)、インドネシア(30.2%) 、「大学」の割合が高いのが、インド(36.3%)、中国(36.1%)、韓国(32.2%)となった。『大学』からの就職の定義は「大学・学校のキャリアセンターによる職業紹介」「大学・学校による就職サイトや就職情報誌」 「大学・学校が主催する合同説明会」 「先生の紹介」の合計 となっており、英タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE) が発表した2017年度アジア大学ランキングTOP100で2位の北京大学、3位の清華大学を抱える中国、8位の韓国科学技術院(KAIST)、9位のソウル大学をもつ韓国とITエンジニアや航空宇宙局(NASA)の科学者も多く輩出するインドの3国となった。ちなみに日本の東京大学は7位、京都大学が11位となっている。

 『これまでの転職回数』について各国大きな違いは見られなかったが、20代になると韓国と日本において、転職未経験者が7割超と多い特徴があるが、30代になるとほかの国と大差がなくなる。『初めの仕事を退職した理由 』では日本を除くすべての国で、「賃金への不満」と「労働条件や勤務地への不満」を大きな退職理由としたなか日本では、「賃金への不満」での退職は5.1%と極端に低い数値にとどまった。

 『仕事をするうえで大切だと思うもの(価値観) 』では 日本を除く4ヶ国で「高い賃金・充実した福利厚生」が最多となり、2番目に高い選択項目では各国の特色が出る結果となった。 ASEAN主要6ヵ国の中で最下位ながらも、安価な労働力を背景に安定的な成長が続き、「チャイナプラスワン」として有望視されてきたベトナムは「向上心を持ち頑張って勉強します」と教育研修の機会を重要視した。Googleの現CEOサンダー・ピチャイ氏などITエンジニアのエリートを輩出するインドは「立派でステイタスのある会社で働きたい」、過労死などの労働問題が叫ばれる韓国では「自分にあった働く時間と休日はキッチリほしい」、中国は先を見据え「将来性が大事。明確なキャリアパスを求む」、日本は組織に所属するという感覚が強いのか「仲の良い人間関係を大事にする環境で働きたい」という結果となった。

 今回の調査は若手ビジネスマン向けではあるが、元を辿れば各国の教育機関・政府・企業やビジネスマンが積み上げてきた土壌があり、今回の回答がある。今後のアジア経済・世界経済を牽引していくのはどの国になるのか注目したい。(編集担当:久保田雄城)