警察庁は2017年上半期に懲戒処分を受けた警察官・警察職員についての調査結果を発表した。この半年で122人が処分を受けたのだが、理由は異性関係が39人と最も多く、そのうち4面は免職処分となっている。年々処分者数は減少傾向にあるとはいえ、風当たりが強いことは確かだ。
警察庁は、2017年の1月?6月までに懲戒処分を受けた警察官や警察職員が122人だったと発表した。昨年同期よりは1人増えているが、統計が残る00年以降では3番目に少ない人数で、同庁は「減少傾向は維持している」としている。1年間の人数で比較してみても、ここ5年間で12年が年間450人であり、17年が266人と処分者の人数は年々減少しているのは確かだ。
懲戒処分には4種類あるのだが、一番重い警察官を辞めさせられる「免職」が12人、一定期間職務につけず給与ももらえない「停職」が35人、給料が減額される「減給」が56人、口頭や文書本人を戒める「戒告」が19人だった。都道府県別にみると、福岡県警と警視庁が12人で最多となり、神奈川県警が9人、大阪府警が8人と続き、署の規模が大きく職員の人数が多い所が上位を占める結果となった。
懲戒処分理由で一番多かったのは、異性関係によるもので39人だった。このうち4目人は、一番重い免職処分を受けた。ちなみに、昨年同期に比べ、異性関係による処分者人数は10人ほど減っている。具体的な内容はとしては、盗撮13人、強制わいせつ10人、セクハラ6人となっている。異性関係による具体的な不祥事の内容は、主に以下のようなものだ。
4月30日に東京都江東区の都営新宿線大島駅の階段で、女性の体を触ったとして、警視庁渋谷署生活安全課の男性巡査部長(37)を同庁が強制わいせつ容疑で逮捕。6月2日付で免職となった。
2月18日には東京都豊島区のデパート内で、バッグに隠し持った小型カメラで女性客を盗撮したとして、群馬県警の30代の男性巡査部長を迷惑防止条例(盗撮)違反の疑いで警視庁が書類送検。3月30日付で減給6カ月の処分を言い渡された。
16年には12月11日に知人女性の体を触ったとして、千葉県警警務課の男性巡査長(35)を強制わいせつ容疑で書類総研。停職3カ月の処分が言い渡され、依願退職した。2015年9月には福岡市内で開いた福岡県警留置管理課の飲み会で、同僚女性の羽交い締めにし、3分間に渡って体を触るなどしたとして、同課の58歳と57歳の男性警部補を強制わいせつ容疑で書類送検。停職1?3カ月の処分が言い渡され、2人とも依願退職。2人のわいせつ行為を助けた男性巡査部長(30)は減給3カ月の処分となった。
処分理由で一番多かったのは「異性関係」であるが、他には「窃盗・詐欺・横領等」が25人、「交通事故・違反」19人、「公文書偽造・毀棄、証拠隠滅等」12人、「暴行・傷害等」7人となっている。
警察官の犯罪となると、世間の風当たりも強い。トータル的に処分件数が減っているとはいえ、さらなる努力も必要であろう。(編集担当:久保田雄城)