内閣府・加計で議事要旨と矛盾する答弁繰り返す

2017年08月09日 06:41

 学校法人加計学園(岡山市)の獣医学部新設をめぐり国家戦略特区制度が「加計ありき」で悪用されたのではないかとの疑惑が民進党の調査チームの7日の内閣府担当者からのヒアリングでも、より疑念を深める結果になった。

 調査チームは朝日新聞報道を受け、2015年6月5日の国家戦略特区ワーキンググループに加計学園幹部が出席・発言していたのに、議事要旨に記載されていないと報道。桜井充調査チーム座長は、内閣府担当者に対し「議事要旨に内閣府進行役が『資料その他、議事内容は公開の扱いでよろしゅうございますでしょうか』と訊ねた際、愛媛県の山下一行地域振興局長は『はい』と答えていたのに、その内容が、1年9カ月も公開されずにいた。なぜか」と質した。担当者は「当初は非公開を希望していた」などとし、「議事要旨」の記録と整合性のとれない、矛盾する答弁を繰り返した。

 さらに、内閣府担当者は「15年6月5日の当初の発言をそのまま議事録にしたとすれば『非公開』とすることが載る」と発言。苦しい答弁を繰り返し、出席議員から「議事要旨の公開で『はい』としたのは改ざんではないか」「公文書偽造ではないか」との指摘があった。桜井座長は「10日のヒアリングに、議事録を出すよう」求めた。内閣担当者は「持ち帰り検討する」とした。

 また、桜井座長は平成29年5月23日の参院農林水委員会での質問で、ワーキンググループ会合で加計学園が自らプレゼンを行っているのかと訊ねた際、松本洋平内閣府副大臣(地方創生担当、当時)は『公募手続き後はプレゼンをして頂いているが、その前はない』と答えていた。国会答弁で虚偽答弁したのではないか」と質した。

 内閣府担当者は「提案者(愛媛県・今治市)からのヒアリングを行った。加計学園の人は提案者(県・市)の補助者として、市の判断でお連れになられた。加計学園からのプレゼンとは思っていない。公式な発言とならない」と苦しい答弁をした。

 京都府が提案者となった際の京産大の発言(プレゼン)はワーキンググループの議事要旨に残っていて、この点でも内閣府担当者の答弁は整合性がとれない。

 桜井座長は「結局、加計ありき、加計を隠したがることばかりだ」と疑念が一層深まったとした。「本当におかしいことだらけになってきている。不必要な大学が設置されれば私学助成金(税金)が毎年入っていく。無駄な税金を使うなら、他の予算の足りないところへ回すべき」と提起した。(編集担当:森高龍二)