1万人超の署名添え、佐川国税庁長官の罷免要求

2017年08月22日 07:12

 学校法人森友学園に国有地が8億円値引きして売却されるなどした問題で、21日、1万人を超える署名を添え、前理財局長で現在の佐川宣寿国税庁長官を罷免するよう求める要望書が麻生太郎財務大臣あてに、弁護士や学者、元マスコミ関係者らでつくる「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」から提出された。

 罷免を求める理由では(1)近畿財務局が格安価格で国有財産を森友学園に売却した問題を審議した国会で、佐川前理財局長(現国税庁長官)は、森友学園側とあらかじめ具体的な金額を出して交渉したことはないと答弁してきた。また、10年の分割払いは森友学園側から出た話と答弁してきた。しかし、7月25日以降、NHKなどが伝えた報道から、近畿財務局は森友側にいくらまでなら支払えるかと尋ねるなど、具体的な金額のすり合わせをしていた事実が明らかになった。また、10年分割払いも近畿財務局から持ちかけていたことが判明した、とし「こうした事実は、佐川氏が国会で虚偽答弁をしたことを意味する」と指摘。

 加えて(2)佐川氏が売買契約の成立を以て事案は終了したので、交渉記録は廃棄したと国会で答弁した。しかし、10年分割払い、買戻し特約付きの売却である以上、売買契約が成立しただけでは事案は終了しない。また、売買契約に至る交渉記録を本当に廃棄したのであれば、行政機関の意思決定に至る過程を合理的に跡付け、検証できるよう、軽微な事案を除いて、文書を作成し、保存しなければならないと定めた「公文書管理法」第4条、第6条に背く行為、としている。

 罷免要望書では、さらに(3)佐川氏は、ゴミの撤去に充てる費用として鑑定価格から値引きされた8億2000万円が本当にゴミ撤去のために使われたかどうかは契約が成立した後のことで、確認する必要はないと強弁した。このように国有財産の不当廉売を放免した佐川氏を、あろうことか、国民に納税を促す国税庁長官に任命するのは許されない人事だ、としている。この趣旨に賛同し、署名した人は8月20日までに1万706に上った。(編集担当:森高龍二)