人材採用に関するコンサルティングを行っているディスコは、2018年3月に卒業予定の外国人留学生に対して就職観や就職活動に関する調査を実施した。それによると、文系の留学生では79.4%の学生が、理系の留学生では69.5%の学生が、日本国内での就職を希望しているとのこと。また、全体では77.0%の留学生が国内での就職を希望している。
就職したい企業の規模では、「業界トップ企業」が21.0%、「従業員1,000人以上の大手企業」が36.5%だ。これに対して、国内学生ではそれぞれ21.5%と32.5%となっている。外国人留学生のほうが、企業規模へのこだわりが強く、安定した会社に就職したいという意欲が高いことがわかる。
その一方で、インターンシップへの参加状況は、国内学生が84.6%、外国人留学生が42.2%となっている。およそ倍の開きがあり、大きな差がみられる。さらに、就職活動を開始した時期の違いは特筆に値する。国内学生の就職活動開始時期は3年生の6月が最多だ。そして、4年生の3月までには95.7%の学生が活動を行っている。かたや外国人留学はといえば、活動開始時期が4年生の4月が最多で27.3%だ。開始時期に明確な違いがあり、動き出しが遅いことが如実となった。
こうした背景には、日本と海外での制度や習慣の違いが関係しているようだ。外国人留学生に、日本での就職活動を通して、「おかしいと思った制度や習慣」について問うと、「就職活動の時期」を挙げる学生が32.6%と最も多かった。「卒業前の早い時期に就職活動をする必要があるため、学業との両立が厳しい」というコメントが多数寄せられたという。日本の学生でも、開始時期が早すぎないかと訝しがるものだが、留学生ならばなおさらだろう。こうした感覚のズレも、就職活動の動き出しの遅さと関係しているものと思われる。また、リクルートスーツに違和感を覚える学生が多く、30.9%という結果になった。筆記試験に疑問をもつ学生は29.4%。筆記試験を実施しない国もあり、外国人留学生には奇異にみえることが多いという結果になった。
海外と日本ではギャプがあるのは当然のことだが、留学生の就職をサポートするのであれば、まずはこうした文化の違いから教える必要があるだろう。(編集担当:久保田雄城)