民進党の前原誠司代表は憲法改正議論に否定的な党内勢力を排除し、『2大保守政党』での政権交代を実現するため、民進党代表に選ばれたのを機に、総選挙に党から候補を擁立せず、小池新党の希望の党公認を得て立候補するよう仕向ける『奇策』をとったことが、自らのツイッターに書き込んだ文言で明らかになった。
希望の党が憲法改正の点で自公政権と類似の方向にあることは明白で、安倍政権が下野した場合、自民党との連立に対し、小池百合子代表(都知事)が「結果次第」と連立を否定しないのも当然の流れのよう。
公党(おおやけのとう)の代表が、すべての党員の思いをみず、自らの思いを支持する人だけを残すため、両院議員総会で、全員が希望の党から選挙を戦うことになる、と説明し、同意させた格好だ。安倍政権打倒のための選択としても、民進党を支持してきた有権者の多くを裏切る行為になったことは否めない。
前原代表はツイッターで憲法改正を特にとりあげ「かつての民主党は、憲法改正についても臆せず議論し、自ら提案していく気概がありました。一方、民進党内では、他党への配慮から改憲論議すらできない雰囲気になりました。離党者が続出した一因です。」と綴った。
前原代表は「1強多弱」を打破したい。しかし、自民党に代わる選択肢をつくらなければ、今回の総選挙で「1強多弱」がさらに定着してしまうかもしれない、と保守の選択肢をつくったとしている。
前原代表は民進党の左傾化を危惧したことを書き込みながら「民進党代表として、全員の参加を求めて交渉を続けてきましたが、希望の党側の事情も汲まねばなりませんでした」と矛盾する書き込みも行っている。リベラル派排除の希望の党に迎合する格好になる。
今回の選挙で憲法9条(戦争の放棄)改正の是非においては「自公」、保守政党「希望」対中道・リベラル政党「立憲民主・共産・社民」の図式がより鮮明になってきている。総選挙は10日公示、22日投開票で実施される。(編集担当:森高龍二)