日本銀行は6日、9月分の「生活意識に関するアンケート調査」を発表した。本調査は個人の実感する景況感を調査するもので、景況感(現在、前年対比)が「良くなった」から「悪くなった」を差し引いた「D.I.(「良くなった」-「悪くなった」)」はマイナス13.5であった。これは2016年12月調査から4四半期連続の改善である。
9月分の内訳を見ると「良くなった」は7.6、「変わらない」71.1、「悪くなった」は21.1であった。過去の調査結果を見ると16年12月がマイナス24.8、17年3月がマイナス18.1、前回の17年6月はマイナス16.2であり、14年6月分のマイナス9.2以来の高水準となった。
「1年後の景況感」のDIについては16年12月分がマイナス26.4、17年3月分がマイナス18.0、同6月がマイナス17.3、9月分はマイナス18.0と若干低下した。「暮らし向き」のDIについては、16年12月がマイナス38.3、17年3月がマイナス32.4、同6月がマイナス32.9、9月はマイナス31.9と「暮らし向き」は回復傾向にあると実感しているようだ。
「物価に対する実感」は、かなり上がったが7.2、少し上がったが55.4、ほとんど変わらない33.1、少し下がったが2.8、かなり下がったが0.3となっており、63.2%の個人が物価上昇を実感している。「1年後の物価に対する実感」については、かなり上がるが6.2、少し上がるが64.2、ほとんど変わらない26.7、少し下がるが1.7、かなり下がるが0.2となっており70.4%の個人が今後物価が上昇するインフレ期待を持っている。
17年8月の消費者物価指数も前年比で0.7%増加、同年8月の名目賃金に当たる現金給与総額も前年比0.9%増加となっており、両者を合わせた実質賃金レベルでは0.1%の上昇であるため、緩やかながらも暮らし向きと物価上昇への傾向は他の統計とも整合性があると言えよう。
本調査は17年8月10日から9月5日に実施され、調査対象は全国の満20歳以上の個人で標本数は層化二段無作為抽出法で4,000人(有効回答者数2,134人<有効回答率53.4%>)、質問票によるアンケート調査(郵送調査法)による調査であった。(編集担当:久保田雄城)