米の防衛装備品購入促しに質量拡充と総理応じる

2017年11月07日 18:07

安倍晋三総理は6日の日米首脳会談後の共同記者会見で、トランプ大統領が米国の防衛装備品購入を求めたのに対し「日本は防衛装備品の多くを米国から購入している」としたうえで「北朝鮮情勢、アジア太平洋地域情勢が厳しくなる中、日本の防衛力を質的にも、量的に拡充していかなければならない」と質量で拡充しなければならないと応じる回答をした。

 また安倍総理は「F35A、SM3ブロックⅡAも米国から導入することになっている。イージス艦の量質拡充でも米国から購入していくことになると思う。日本は北朝鮮(が弾道ミサイルを)発射直後から動きを把握している。ミサイル防衛自体、日米協力して対処するシステムだと言って良い。迎撃の必要のあるものについては迎撃していく。迎撃をする際にも日米は緊密に連携している」と述べた。

 米防衛装備品では日本政府はステルス戦闘機F35Aや迎撃ミサイルSM3ブロックⅡAのほか、陸上配備型の新弾道ミサイル迎撃システム「イージスアショア」(米ロッキード・マーティン社製)の複数購入(一基約800億円とみられている)をはじめオスプレイ4機の購入、空中給油機KC46などを来年度購入計画だ。

 野党の社会民主党の又市征治幹事長は、安倍総理の共同記者会見での発言に「北朝鮮の脅威を口実に、トランプ大統領に迎合し、進んで負担を買って出る姿勢はきわめて遺憾」と問題視。

 又市氏は「日本が自ら進んで軍拡路線を歩み、これ以上の防衛費増額や違憲の戦争法(安保法制)に基づく日本の役割拡大を進めていくことは断じて許されない」と談話を発表した。

 安倍総理は共同記者会見で「北朝鮮の(弾道ミサイル)発射直後から動きを把握している」と公式の場で発言した。そうであるなら北海道上空550キロ~700キロの宇宙空間を通ることを政府は予測できたはずで、日本領空(上空100キロ以下)でないことを考えれば、北海道、東北、一部関東(茨城・栃木・群馬)という広範囲でJアラートを起動させる必要があったのか。東北や関東3県は不必要ではなかったのか、Jアラートの活用の在り方についても国会の場で検証することが求められそう。(編集担当:森高龍二)