安倍晋三総理は内外情勢調査会での講演で、安保法制ができたことによる北朝鮮対応での日米連携に実効性が担保できたことや「現下の北朝鮮の脅威に対し、史上初の空母3隻との大規模な共同訓練を行い、自衛隊が初めて米艦防護の任務に就いた」ことを成果にあげた。
そのうえで「専守防衛は当然の大前提」と語ったうえで「北朝鮮の核・ミサイル技術の進展など我が国を取り巻く厳しい現実に真正面から向き合い『従来の延長線上ではなく、国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めていきたい』と思う」と述べ「強固な日米同盟の下、高度の警戒態勢を維持し、いかなる事態にあっても、国民の命と平和な暮らしを守り抜いていく」と強調した。
安倍総理は「いざというときのために日米同盟がある」と述べ「同盟といえども人間と人間の関係と同じ。反対もあったが、平和安全法制がなければこの緊迫する北朝鮮情勢にしっかり対応できたかというと、そうはならなかったでしょう」と安保法制の制定を是とした。
また「日本を守るために、日米はお互いに助け合うことができるようになった。助け合うことのできる同盟は、間違いなくその絆を強くする。お互いに民主国家、お互いの国民から支持されなければ同盟はその力を発揮しない。信頼関係、お互いの強い絆がなければ同盟はただの紙切れになってしまう。その同盟を紙切れではなくて国を守るためにしっかりと機能するためにはお互いの信頼関係と絆が必要。そして、相手に出した情報が守られる。こうした中にあって、現下の北朝鮮の脅威に対し、史上初の空母3隻との大規模な共同訓練を行い、自衛隊が初めて米艦防護の任務に就いた」と述べた。
ただ、1基1000億円以上といわれるイージス・アショア(地上配備型弾道ミサイル迎撃システム)2基導入を国会説明もなく、閣議決定する安倍政権のやり方には、北朝鮮の脅威を理由に際限ない軍拡の危険もはらんでおり、次期通常国会で、イージス・アショアがどのような規模のもので、専守防衛の枠組みからも問題ないものなのか、敵基地攻撃能力を見据えた準備にならないのか、国民に分かりやすい説明と徹底議論が求められる。(編集担当:森高龍二)