高度プロフェッショナル制度の扱いが争点に

2018年03月02日 07:35

 政府は厚労省のデタラメデータにより国民から疑惑や懸念が出ていることを受け、裁量労働適用対象拡大に関して「裁量労働の実態を把握したうえで、議論をし直す」とし、今国会での働き方改革関連法案から『裁量労働』部分は全て削除することを明確にした。

一方、立憲民主党など野党6党は「高度プロフェッショナル制度の創設」についても削除するよう求めていく方針を1日、再確認した。今後は、高度プロフェッショナル制度の扱いが争点になりそうだ。

 高度プロフェッショナル制度は年収1075万円以上の高額収入を得る専門職に適用するもので、残業代の支払いが不要になることから『残業代ゼロ法案』といわれている。日本経済団体連合会などが裁量労働制適用対象拡大とともに強く政府に制度創設を求めている案件。しかし長時間労働の危険性はぬぐえていない。

 また、高度プロフェッショナル制度では日本経済団体連合会は当初、年収400万円以上の労働者を対象に適用できるよう、かなり対象を広げて要望していた経緯があり、加藤勝信厚労大臣は「要件を緩和していく考えはない」と国会答弁しているものの、制度創設後に、省令で適用レベルを下げる危険性もぬぐえない。少なくとも省令レベルでなく、適用対象の年収を法規定するなど、簡単に変更できないよう担保することが必要だ。(編集担当:森高龍二)