かなり衝撃的なニュース。映像は「1944年9月13日夜に日本軍が朝鮮人女性30人を銃殺したという内容の米中連合軍の文書を裏付ける」として、ネット上でも多く取り上げられているので、信憑性は日本として確認することが必要ではないか
日本軍が中国雲南省騰衝(とうしょう)で敗戦直前の1944年9月13日に朝鮮人慰安婦数十人を虐殺。2日後に一か所に捨てた様子を米中連合軍が撮影したとして、19秒映像が2月27日の「旧日本軍の慰安婦問題に関する国際カンファレンス」で初公開された、と聯合ニュースが報じている。
かなり衝撃的なニュース。映像は「1944年9月13日夜に日本軍が朝鮮人女性30人を銃殺したという内容の米中連合軍の文書を裏付ける」として、ネット上でも多く取り上げられているので、信憑性は日本として確認することが必要ではないか。
聯合ニュースによると、太平洋戦争で日本が敗戦する直前の1944年9月に騰衝で、米中連合軍が撮影したもので「朝鮮人慰安婦が日本軍によって虐殺された後、1カ所に捨てられた様子が収められており、遺体を埋めに来たとみられる中国軍の兵士が遺体の靴下を脱がせる場面もとらえられている」という。
記事添付の写真説明は「米軍の写真兵が撮影した、日本軍による朝鮮人慰安婦虐殺の現場」とあり、写真提供は「ソウル市・ソウル大人権センター」。
ソウル大人権センターに映像があるようだ。「当時ここには日本軍に連れてこられた朝鮮人慰安婦70~80人がいた。映像が撮影された日時は騰衝の陥落翌日の1944年9月15日。陥落当時、連合軍の捕虜となり、生き残った23人を除く朝鮮人慰安婦の大部分は日本軍が虐殺したと推定される」とも説明。
映像入手と公開時期に関して「ソウル大研究チームは戦時に米軍写真部隊の写真・映像撮影担当兵士が2人1組になって動いた点に注目し、映像を追跡してきた。昨年、映像を探し出したが、虐殺という敏感な問題であることから、分析の正確度を高めるため研究に時間をかけた」とし、今の公開となった旨を伝えている。
この映像が日本軍による朝鮮人慰安婦虐殺を裏付けるものとしての史料価値のあるものなのか、日本政府として信憑性を検証すべきだろう。このことは日韓合意を覆すものでも、修正するものでもない。史料価値と歴史的な事実を検証する新資料として学術的に検証すべきものと考える。
慰安婦問題に関しては2015年12月に日韓両国政府において「最終的・不可逆的」合意ができたことは周知の通り。両国がこれを尊重した言動・義務を履行し、未来志向でよりよい関係を築いていくことが望まれる。
一方で、慰安婦問題に関し、新資料が提示されれば、日韓合意とは別に「歴史を検証する」観点から事実関係を確認することは当然だろう。政府の対応を注視したい。(編集担当:森高龍二)