森友学園への大幅値引きでの国有地売却をめぐる問題で、財務省が総理や総理夫人の昭恵氏、政治家らの名前の削除など14の決裁文書を書き換え、書き換えた個所が数十か所に及んでいたことが12日明らかになったことを受け、立憲民主党や民進党、日本共産党など野党6党の幹事長・書記局長は同日午後の会談で「国会審議の信頼と前提を覆す前代未聞の異常事態であり、国会審議に入れる状況にない」との認識で一致した。
また参院予算委員会で13日にセットされている公聴会の延期を求めることでも一致した。会談では「決裁文書改ざんは事実を隠ぺいする驚くべき事態。国会審議の信頼と前提を覆す、日本の民主政治の危機、崩壊そのもの」と強く非難した。
「官僚だけに責任を押し付けて済まされるはずはない。安倍政権の責任は極めて重い。政府の信頼は失墜している」と断じた。
財務省の担当者は野党6党のヒアリングで「森友事案に関する14件の決裁文書の書き換えが行われていることが分かった」と述べ「書き換えが行われた経緯や目的は最終的に書き換えの経緯についての人事当局の調査結果を見る必要があるが、書き換えは昨年2月下旬から4月に本省理財局で行われた」ことを明らかにした。
例えば、特例承認の決裁文書では「普通財産の貸付けに係る承認申請について」(平成27年2月4日)の部分で、これまでの経緯の部分の書き換え前には「安倍昭恵総理夫人を現地に案内。夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」との発言あり。(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)と記されていたが、この部分は全面削除。
またこれまでの経緯の部分で「27年1月8日、産経新聞のインターネット記事に「森友学園が小学校運営に乗り出している旨の記事が掲載。記事の中で、安倍首相夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙した旨が記載される」との文言もあったが、これも削除されていた。(編集担当:森高龍二)