森友学園への国有地大幅値引きでの売却をめぐり、問題発覚後、財務省が決裁文書を書き換えたうえで国会に書き換え後の文書を提出していた。
決裁文書の改ざんは絶対にやってはならない。国会審議の根底、民主主義を揺るがす重大行為を財務省が行った。今後、麻生太郎財務大臣辞任はもちろん、安倍内閣の責任が厳しく問われることになりそうだ。
財務省は12日、書き換え疑惑に対する調査結果を国会に報告。書き換え文書は12日現在での調査で14書類、数十か所で行われていた。また書き換え前文書には森友学園理事長だった籠池泰典氏の発言として安倍総理夫人の安倍昭恵氏に関する記述もあり、その部分も削除されていた。複数の政治家の名前も記されていたが、これも削除されていた。また「本件の特殊性」などの文言が削除されるなどしていた。
誰が書き換えを指示したのか、調査は今後も進めるとしている。菅義偉官房長官は「12日現在」としたのは今後も新たに出てくる可能性を否定できないためとした。
麻生財務大臣は、書き換え責任は当時の理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官だと12日の会見で話したが、責任が財務大臣にあることは明々白々。国会での追及は厳しくなるもよう。
また時の政権にとって都合良いように決裁文書が書き換えられることは1件でも許されれば国会審議での公文書への信用は失墜し、審議自体が成り立たなくなる。民主主義が骨抜きになる重大犯罪で、公文書変造罪で済む問題ではない。
日本共産党の志位和夫委員長はツイッターで「改ざん前の文書には『森友』の理事長が『日本会議』に関与していること、安倍総理が『日本会議国会議員懇談会』の副会長に就任していること、総理夫人の昭恵氏が学園で講演・視察したことが明記されているが、それが全面削除されている。総理夫妻と学園との関係を抹消してしまおうというものだ」と指摘した。
また「財務省の発表は『追い詰められてやむなく』のもので、自浄能力の発揮では決してない。麻生財務相の会見を見ても『理財局の一部の職員がやった』と、責任の自覚と反省は一かけらもない。こういう相手に対して、真相解明を進めていくためには、佐川氏、昭恵氏の国会招致が絶対不可欠だ」と佐川前国税庁長官(当時の理財局長)と安倍昭恵総理夫人の証人喚問は避けられないと強く求めている。(編集担当:森高龍二)