与野党、攻防続く 与党側に責任

2018年04月24日 07:01

 与野党の攻防が続いている。加計学園運営の岡山理科大学への獣医学部新設までの国家戦略特区制度を用いた経緯に「加計ありき」だったのではとの疑惑が2015年4月2日の柳瀬唯夫総理秘書官と愛媛県職員、今治市職員、加計学園幹部との総理官邸での面会をめぐり、柳瀬氏が記憶の限りとの条件を付けて「面会していない」と否定する一方、面会事実があったとみられるメールや文書が明らかになっている。

 野党は真相解明には柳瀬氏らの証人喚問が必要だと与党に強く求めているが、与党は応じていない。さらに森友問題、自衛隊イラク派遣部隊の日報問題、財務省事務次官のセクハラ問題などなど、問題が続出。

 これらの解決に向けた対応を野党は求めているが、これに応じていないため、野党は対抗策として国会日程の協議を拒否している。

 日本共産党の志位和夫委員長は「柳瀬氏は『記憶にない』と言ってごまかし続けるつもりか。与党は、ここまで来て、なお柳瀬氏の証人喚問を拒否し続けるつもりか」と強く与党の姿勢を問題視している。

 立憲民主党の逢坂誠二政調会長代理(衆院議員)は「野党が国会審議を止めていると思っている方が多い。政府と与党が関係者の証人喚問と予算委員会の集中審議の確実な開催を認めれば、予算の野党筆頭理事としては、今すぐにでも審議したい気持ちだ。事実上、審議拒否をしているのは、様々な問題の真実を明らかにしたくない政府と与党だ」とツイッターで発信。政府・与党が国会を混乱させているのだと強調した。

 逢坂議員は「森友・加計案件は政府が正直に実態を説明すれば、あっという間に解決する。土地取引が適切ならば、政府はなぜ改ざんや隠ぺい、口裏合わせをしたのか。獣医学部の開設に官邸も総理も関わっていないのに、なぜ官邸で加計学園と面会をしたのか。それらを説明すれば済む話」と指摘し、そのうえで「いずれも政府からの説明はない」と説明責任を果たすよう求めている。決裁文書の改ざん、隠ぺいは民主主義の根幹を揺るがす問題だけに、政府・与党が説明責任を果たさなければ、法案審議に入れない状況だ。(編集担当:森高龍二)