真相解明に柳瀬氏の証人喚問避けられず

2018年04月17日 06:09

 加計学園運営の岡山理科大に獣医学部を創設する過程で、安倍晋三総理がこの計画を早い時期に知っていた可能性が高まっている。

 2015年4月2日に愛媛県と今治市の職員、加計学園の幹部が、当時の柳瀬唯夫総理補佐官と総理官邸で面会したとする案件で、柳瀬氏は「記憶の限り、会っていない」と面会を否定しているものの、愛媛県知事に続き、今治市の菅良二市長も市職員の面会相手は明かしていないものの官邸を訪ねていたことは認めた。

 文部科学行政の事務方トップを務めた前川喜平前文部科学事務次官は、総理補佐官が官邸で総理の許可なく面会することはないと指摘している。もし仮に何らかの事情で総理に伝えず面会した可能性があったとしても、面会後には面会したことや面会での内容を総理に当然報告しているとみるのが自然。

 また、柳瀬氏が「記憶の限り、会っていない」と条件付きで面会否定する中で、東京新聞は16日、愛媛県職員らが柳瀬氏らと面会する情報をつかんだ農水省から面会直後に「どんなやり取りがあったのかを至急確認したい」との連絡があったということが政府関係者への取材で分かったと報じている。

 日本共産党の志位和夫委員長は「記憶の限りでは会ってない、はいよいよ通用しなくなった」とツイッターに書き込んだ。面会した疑惑が色濃くなっているなか、真相究明には柳瀬氏の証人喚問が避けられない状況だ。野党の証人喚問要求に与党がどう応じるかで、問題究明への本気度がみえてきそうだ。(編集担当:森高龍二)