自民・9条改憲に意欲、共産・空文化許されない

2018年05月05日 17:29

 憲法記念日の3日、自民党は「憲法改正の議論をリードしていく決意」「憲法改正の発議を目指す」と改めて、改憲へ強い意欲を示した。

 自民党は「国民に問うにふさわしいと判断された4項目」だとして(1)自衛隊(2)緊急事態(3)合区解消(4)教育充実をあげ、党としての条文イメージをもとに衆参の憲法審査会で議論を深め、各党・有権者の意見を踏まえて『原案』を作成し、『改正発議を目指す』と実現に決意をにじませた。

 野党第1党・立憲民主党の枝野幸男代表は「(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を核とする)日本国憲法は大きな危機に瀕している」と指摘。民主主義の前提となる「知る権利」が森友問題、加計問題、PKO日報問題等での文書改ざん、隠蔽からもわかるように、危機にあるとし「国民が十分かつ正確な情報に接することができるよう、知る権利について議論を深め、公文書管理や情報公開の在り方を正していく」とする談話を発表した。

 また「立憲民主党は権力を制約し、国民の権利拡大に寄与する観点からの憲法論議、立憲主義の観点からの憲法論議、『立憲的憲法論議』を深めることを約束する」とした。

 日本共産党は機関紙「赤旗」主張欄で、憲法9条(戦争の放棄)に自衛隊を書き加える自民案は「9条を空文化し、他国のための集団的自衛権行使を含む、海外での無制限の武力行使に道を開く危険なもの」と指摘した。

 特に現行憲法の「平和主義」について「日本が15年間にわたる侵略戦争で、310万人以上の日本国民と2000万人を超すアジアの人々を犠牲にした反省の上に立って、敗戦の翌年公布され、半年後に施行された。憲法前文の『政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることがないようにする』の言葉は戦後日本の再出発に当たっての宣言」であるとし、歴史の重みを含んだ文言であることを訴えた。

 そのうえで「安倍首相が進める改憲は戦後の原点を破壊し、日本を再び『戦争する国』に引き戻す。絶対に許されない」と訴えている。(編集担当:森高龍二)