総理に一切報告していない発言に与野党から疑問

2018年05月11日 05:55

 加計学園・岡山理科大の獣医学部創設を巡り、国家戦略特区制度では当初から加計ありきでなかったかとの疑惑解明のため、10日行われた衆参予算委員会に参考人招致された柳瀬唯夫元総理秘書官の答弁を受け、国民党の大塚耕平共同代表は「総理官邸で(加計学園関係者らと)3回は会っている。ゴルフもやったことがある。深い関係にあったということは明らか」と語った。

 そのうえで「昨年1月まで安倍晋三総理に報告を一切していなかった、ということをにわかに信じることは到底できない」と指摘し「柳瀬氏がそのような対応を取るとは信じがたい」と述べたうえで「そうなると、今度は安倍総理の発言そのものの信ぴょう性がますます疑われてきた。事実と違うことを述べるような総理とすれば、いかなる案件も総理の発言は信頼できないことになる。大変由々しき問題だ」とした。

 また、質問に立った同党の今井雅人衆院議員は柳瀬氏の答弁に「本当に(加計学園と今治市が)一体だった」「加計学園が主導し、それに今治市がついて行っているという構図がよくわかった」と述べた。

 疑問を抱いたのは野党だけでない。自民党の石破茂元幹事長は「(総理秘書官が)総理に報告しないことは普通考えられない。秘書官は個人でなく(総理の)分身として会っていて、誰に会ったか(総理に)報告するのが普通。全く報告していないことに違和感を持った」と石破派の会合で指摘。「愛媛県の方々も(国会に)お呼びすべきかも」と提起した。

 日本共産党の小池晃書記局長は、石破氏の発言を報じたニュースに「そりゃそうだよね」とツイッターに書き、同調した。

 また質問に立った同党の宮本岳志衆院議員は「加計ありきだったことは、いよいよはっきりした」とツイッターに書き込んだ。真相解明に愛媛県や今治市の関係者も参考人招致する必要がありそうだ。(編集担当:森高龍二)