すべてが完全に刷新されたメルセデス・ベンツGクラス、日本上陸

2018年06月06日 19:19

AMG G63

すべてが刷新されたメルセデス・ベンツGクラス、写真はAMG G63、価格2035.0万円。納車は8月から

 メルセデス・ベンツ日本がブランドを代表するオフロードモデル「Gクラス」の最新モデルを発表した。ラダーフレームからサスペンション、パワートレーンやトランスミッション、オフロード走行性能、インテリアにいたるまで完全に刷新されたフルモデルチェンジ・バージョンである。

 そもそも、Gクラスは、1979年に最高級クロスカントリービークルとして初代が誕生。以来、基本的な構造、スタイリング、堅牢なボディを堅持しながら、最適のパワートレーン、装備を加えながら進化してきた。今回、Gクラスの長い歴史のなかで初のフルモデルチェンジとなる。Gクラスの伝統をメルセデスの最新技術でアップデートすることで、オンロード&オフロードともに、最適なパフォーマンスを発揮する究極のオフローダーに進化した。

 新型Gクラスは、1979年以来、継承してきたラダーフレームを新設計した。新設計ラダーフレームは、最大3.4mm厚のスチール鋼板を「ロ」の字型にした鋼材から製作し、MAG溶接技術で組み立て、悪路走行時に求められる強度、剛性、安全性を高めた。

 新型は、高張力/超高張力スチールおよびアルミニウムによる新しい材料構成と、ボディパーツ毎に最適な素材を採用して先代比で約170kgの軽量化を達成した。AピラーおよびBピラーなどのボディシェルは耐荷機能を持つことを考慮して高張力スチール製とし、フェンダー、ボンネット、ドアはアルミニウム製となっている。

 また、サスペンションは、Gクラス開発チームとメルセデスAMGが協業し、フロントのダブルウィッシュボーン式独立懸架サスペンションと、リアのリジッドアクスルを組み合わせて開発。フロントのダブルウィッシュボーンサスペンションのコンポーネントはいずれも、サブフレームなしでラダーフレームに直接取り付けられている。フレーム上のロアウィッシュボーン取り付け点は、走破性向上のため高い位置に設定された。さらに、Gクラスは、フロントのディファレンシャルギアに対して270mmの地上高を確保し、オフロード性能を向上させた。

 リアサスペンションは、トレーリングアーム左右各4本とパナールロッド1本を備えた新型リジッドアクスルとした。これにより、オンロード走行の快適性が、これまで以上に向上。さらに、オフロードでの走破性能の向上に寄与している。

 新型Gクラスには、4.0リッターV8気筒直噴ツインターボエンジンをベースに開発されたM176型エンジンを搭載。最高出力422ps(310kW)/最大トルク610Nmを発揮する。今回の改良により、気筒休止システムを採用しており、エンジン負荷に応じて気筒を休止して燃費効率を向上させた。

 トランスミッションも刷新した。トルクコンバーターハウジングをアルミニウム製、ギアハウジングをマグネシウム製とした9速GTRONICは、従来よりも前進ギアが2速増えたにもかかわらず、従来の7速G-TRONICと比較して1kg軽量化された。さらに、増えたギアにより同じ速度でも高いギアを使ってエンジン回転数を低くすることが可能となり、消費燃料の低減に貢献するという。

 ステアリングは、従来のボール&ナット形式から電動機械式ラック&ピニオン式のステアリングへ変更。ステアリングフィールを大幅に改良した。選択したドライブモードに応じて、「コンフォート」「スポーツ」「オフロード」の3セットのステアリング特性に切り替えることが可能で、オンロードでは快適またはスポーティな操舵感が確保される一方、未舗装の不整路では直接的で正確なフィードバックが得られる。

 インテリアは、オフローダーとしてのGクラスの伝統と最新のメルセデスのデザインが融合した室内空間に仕上がっている。助手席前方のグラブハンドルや、3つのディファレンシャルロックを操作するクローム仕上げのスイッチなどは、今回の改良においても、Gクラスのインテリアパーツとして継承。また、厳選されたレザーや上質なウッドトリム、随所に施されたシルバー加飾などを採用し、ラグジュアリーな個性を強調する。

 また、新デザインのインパネは、12.3インチの高精細ワイドディスプレイ2枚が1枚のガラスカバーの下で視覚的に融合したワイドスクリーンとなった。さらに、コントローラーを備えたセンターコンソール上のタッチパネルとなった。触覚的な反応と車載スピーカーからの音によるフィードバックにより、前方の路面から目を離すことなく操作可能だ。

 新型Gクラスの日本における価格は、G550が1562.0万円、AMG G63が2035.0万円。納車は8月から開始となる模様だ。(編集担当:吉田恒)