ギャンブル依存防止入場規制は明確なザル規制

2018年07月14日 07:55

 カジノの含む複合観光施設整備法案の審議をしている参院内閣委員会の12日の審議で、ギャンブル依存症防止策のいい加減さが浮き彫りになった。

 政府規制では事実上28日の間に20日、7日のうち6日の入場が可能になり、年間通して、休日の度にカジノに行ける欠陥規制のうえ、規制根拠に医学的裏付けがないこともわかった。

 国民民主党の磯崎哲史議員が施設への入場が「連続する7日間で3回」、「連続する28日間で10回」の入場回数制限の根拠を質した。

 政府は日本人を対象とした入場規制は「依存症防止目的」で「有効な措置」と述べた。しかし、連続する7日間で3回の根拠は「国内宿泊旅行の平均日数が2泊3日程度であること」。連続28日間で10回の入場規制は「完全週休2日制を前提に、年間の祝日日数(16日)や日本人の平均の年次有給休暇取得日数をふまえると平均的休日日数が28日間で10日程度になっていること」と答え、一般的な休日、祝日、有給取得日数などを足して算出した単純なもので、医学的根拠、科学的根拠がなく、休日すべてをカジノに費やすことができる『ザル規制』になっていることが浮き彫りになった。

 立憲民主党の小川敏夫議員は「7日のうち(施設入場は)3回としているが、1回というのは延べ24時間で1回とカウントする。月曜夕方6時に施設に入り、夜帰宅して、火曜朝に入り、午後6時までに施設を出れば1回としかカウントされない」と指摘。

 石井啓一国土交通大臣も「延べ24時間で1回とカウントすると承知している」と答弁し、小川議員の指摘を認めた。

 石井大臣は「本人や家族の申し出で入場制限をかけることを事業者に義務付けている」と欠陥のザル規制も『家族の申し出で入場制限を事業者に義務付ける』ことで回避できるかのような答弁を行った。申し出がない限り入場できる。規制がないのも同様の規制だ。(編集担当:森高龍二)