自民党が合区であぶれた候補を救済する党利党略の選挙制度と国民から批判の強い参議院の公職選挙法改正案=自民案(参議院定数を『6増』し、比例に『特定枠』を設け、得票数に関係なく政党が決めた候補順に当選する『拘束式名簿』を一部でとり入れること)が18日の衆院本会議で採決され、自民・公明の賛成多数で可決、成立した。来年夏の選挙から適用される。案には全野党が反対。また自民党の船田元衆院議員総会長も「議員が増えることに国民の理解は得られない」とし棄権した。
特定枠を巡っては候補者の得票数に関係なく政党の決めた候補順位で当選者が決まる(拘束名簿式の)ため、極端に言えば1000票しか得票できなかった候補が当選し、非拘束名簿で5万票の候補が落選するようなことになる。選挙の公平性の観点から野党からは「新たな違憲訴訟が起きる」と指摘されるなど、人口減で都道府県や市区町村の議会が定数を減らしている中、参議院のみが「6増」させることへの批判に加え、公平性の観点からも(特定枠は)『裏口入学』などの批判もあり、新たな問題が言われるなかで採決した与党の強引さが浮き彫りになっている。
本会議では451人が投票。自民、公明議員が投じた賛成票304票、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、日本維新の会など野党議員らが投じた反対票147票となった。
野党からは数の力で採決した強引な押し切りに批判が相次いだ。社会民主党の吉川はじめ幹事長は「比例代表選挙の定数を4増やし、非拘束方式と拘束方式を併用して合区で立候補できない自民党候補を特定枠で当選させ救済しようという党利党略そのものだ」との談話を発表した。(編集担当:森高龍二)