日本産業機械工業会が7月の産業機械受注状況を発表。内需は前年比123.8%と堅調。増加機種はボイラ・原動機152.4%、鉱山機械120.7%、化学機械129.4%など、外需減速感はあるが122.6%で増加。
先月下旬に公表された政府の月例報告では、輸出の足踏み感を指摘しながらも消費の持ち直しを指摘し、総じて緩やかな回復基調と判断している。
景況の先行指標と考えられる産業機械については、11日に日本産業機械工業会が7月の産業機械受注状況を公表している。
概要について見ると、7月の受注高は4275億6600万円で前年同月と比べ123.5%で引き続き堅調だ。このうち内需については3012億5700万円で前年同月比123.8%と高い伸びを示しており内需の先行きに関しては楽観的な見込みであるようだ。
内需の内訳は製造業向けが前年同月比119.0%と堅調で、非製造業向けについても133.6%と大きな伸びを示している。さらに官公需向けが130.9%の高い伸びで、代理店向けについても105.9%でプラス傾向を維持している。
一方、外需についてみると、1263億900万円で前年同月比が122.6%と内需と同レベルの伸びである。機種別で見ると、鉱山機械が前年同月比111.6%で、化学機械が254.6%、ポンプ111.9%、圧縮機102.9%、金属加工機械195.7%の5機種、一方、減少は、ボイラ・原動機が65.2%、タンク58.1%、プラスチック加工機械83.9%、送風機29.9%、運搬機械59.8%、変速機83.1%、その他機械74.8%の7機種となっておりバラツキが見られる。なお、7月でのプラント案件は存在しなかった。
外需については年初には減速感も見られたが持ち直しの兆しも見られる。機種別の動向を見ると、ボイラ・原動機が電力の増加により前年同月比121.4%で、鉱山機械が建設等の増加により120.4%、化学機械が外需の増加によって158.7%と高い伸びを示している。タンクも石油・石炭の増加により267.5%と好調。プラスチック加工機械は外需減少により86.4%と落ち込んでいる。ポンプが外需等の増加により105.2%と増加傾向を維持。圧縮機は外需。代理店等の増加により104.3%。送風機は代理店減少により76.7%と大きな落ち込み。運搬機械は外需の減少により87.6%と減少になった。変速機は官公需の増加で102.2%と増加を維持、金属加工機械は鉄鋼の減少により95.2%とわずかに減少している。
総じて見ると外需の減速感が一部で目立ち、代って民需の増加傾向が目立つようになってきており、外需の一部が一巡した後、内需による自力回復の過程に入りつつあるとも見込まれる。(編集担当:久保田雄城)