増える親元未婚 未婚率上昇の要因か

2018年09月30日 18:28

画・2017年、日本の人口。日本人減少、外国人大幅増加。

2015年の国勢調査によれば、50歳まで一度も結婚したことがない「生涯未婚率」が男性で23パーセント、女性で14パーセントに急上昇したことが分かった。今後は親元未婚者が結婚のきっかけをつかむための環境づくりなどに着手していく必要があるのかもしれない。

 2015年の国勢調査によれば、50歳まで一度も結婚したことがない「生涯未婚率」が男性で23パーセント、女性で14パーセントに急上昇したことが分かった。一方で国立社会保障・人口問題研究所の調査では「いずれ結婚するつもりだ」と考える未婚者の割合は男性86パーセント、女性89パーセントと高い水準を維持している。いずれは結婚したいと思っているにも関わらず結婚できない要因の一つと考えられるのが「親元未婚」の増加だ。

 親元未婚とは親と同居する未婚者のことだ。15年の国勢調査では未婚者のうち親元にいる男女は全国に約1430万人いる。未婚者全体に占める割合はなんと約7割だ。つまり未婚者の多くは親元にいるということになる。20代だけではなく、仕事も軌道に乗り単身で生活できる能力もある30代、40代の男女も親と一緒に生活しているケースが多い。親元を出て生活している単身未婚者の割合は減っている一方で全体の未婚率が増加しているのは親元未婚が大きな要因と言えるだろう。

 ではなぜ親元未婚が急激に増加しているのか。なぜ親や祖父母と共に生活しているのかを問うインターネットの調査では、生活費が節約できるという回答が全体の3割近くを占め、次に家事をしてもらえるという回答が続いた。特に理由はないと答えた男女も2割以上おり、特に理由もなく親元で暮らしている未婚者が多いということもわかる。介護などやむを得ない事情ゆえに親や祖父母と生活している例もあるが、親元にいて基本的な生活の必要が満たされていれば、結婚の必要性を感じなくなるのも無理はないだろう。

 親元未婚の問題は、決して単独で考えるべきではない。未婚率の上昇や少子化などの問題と深く関わりのある問題だからだ。親元未婚者がこのまま増加していけば、未婚率の上昇、出生率のさらなる低下は避けられないだろう。今後は親元未婚者が結婚のきっかけをつかむための環境づくりなどに着手していく必要があるのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)