米国の核の傘の下で核抑止力を維持するためか、日本は米国の核実験には寛容姿勢がにじみ出てくる。
大菅岳史外務報道官は10日夕の記者会見で、記者団から「アメリカが去年12月にプルトニウムを用い、核爆発を伴わない『臨界前核実験』をネバダで実施していたことが分かったとの報道があるが、受け止めを」と質され「未臨界実験等核爆発を伴わない核実験の扱いについては核兵器のない世界を目指すとの立場から核軍縮に取り組んでいく中で検討すべきであると考えています」と抗議姿勢どころか、理解を示した。
大菅報道官は「米国の国家核安全保障局が本年3月に発表した報告書で、米国がネバダ州の施設で去年12月13日に未臨界実験を実施したと言及されていると承知している。米国は核爆発実験を行うことなく、貯蔵している核兵器の安全性、有効性を確保するために未臨界実験を行なっている」とした。
そのうえで「未臨界実験はCTBT(包括的核実験禁止条約)において禁止される核爆発は伴わないものと理解している。我が国はCTBTの早期発効を具体的な核軍縮措置として重視しており、まずはCTBTの早期発効を目指すべきで、未臨界実験等核爆発を伴わない核実験の扱いについては核軍縮に取り組んでいく中で検討すべきと考えている」と弱腰なものになった。(編集担当:森高龍二)