ITの進歩とは集積技術の進歩と言ってよい。そして集積技術の進歩とは小型化・軽量化のことだ。この小型化・軽量化がITを社会全体に普及させる主因であり、別の言い方をすれば情報機器のモバイル化だ。
現在ではスマートフォンがその主流であるが、手に持つモバイルではなく身につけるウェアラブルデバイスもスマホほどではないが市場を拡大している。ウェアラブルの代表はスマートウオッチであろう。これは今のところスポーツや健康関連に興味を持つ人達の間での普及のようであるがAIやIoTの進化によって更なる広がりを持つ可能性を持っている。
ウェアラブルデバイス市場はこのところ足踏み状態の様相を呈しているようであるが、専門家によれば、これはブームの終結では無く新たな技術へと進化する準備期間であるということらしい。
17日、IDC Japanが2022年までのウェアラブルデバイスの世界/国内出荷台数の予測についてレポートを公表している。IDCの推計では、18年のウェアラブルデバイスの出荷台数は前年比6.2%増の1億2256万台で、17年の前年比が10.3%より低く減速感が見られる。しかし、今後19年から22年まではスマートウォッチや他のウェアラブルデバイスの市場が広がりを見せると予測されるため、22年の出荷台数は1億9039万台と予測しており、18年から22年の平均成長率は年11.6%と高いものになると見込んでいる。
この動向に関して米国IDCのリサーチマネージャー、レイモン・リャマス氏は「ウェアラブル市場の世界的減速は、市場そのものの減速ではなく、マーケットの移行に伴うものである」と述べている。そして「これからのウェアラブルデバイスは、コミュニケーションやデジタルヘルスケア、ホームIoTおよび企業での生産活動などで重要な役割を果たすことになる」と予測している。
一方、日本国内での市場動向は、18年の出荷台数は80.3万台で、22年には119.6万台に達すると予測されている。タイプ別で見ると、腕時計型が22年に合計81.3万台と市場の主流を占め、リストバンド型は法人需要に支えられ33.3万台と安定的に成長すると見込まれる。国内市場全体としては、年間平均成長率は10.5%と予測されており、ほぼ世界市場と同様の推移をたどるようだ。(編集担当:久保田雄城)