情報通信技術の発展・普及にともない企業の広告も従来のマス広告やオフライン広告からWeb広告へとシフトしている。Web広告の優位性はコンピュータのデータ集積能力と情報処理能力を活用し自社に適した標的顧客に対して個々にアクションをかけられることだ。ITの発展はマーケティング技術の発展であると言っても過言ではない。
さらに現在、これまで蓄積したビッグデータを解析し自己学習によって最適なマーケティング行動を提言するAI技術が加速度をまして進化し普及しようとしている。ますます企業広告はWeb広告へとシフトを加速させるだろう。こうした変革の時代には必ず出遅れた者とそうでない者の格差が生まれ、その格差は企業の資本力に比例している場合が多い。
ITコンサルタント業のエムタメが9月に25~40歳のビジネスパーソン230名を対象に「Web広告に関する意識調査」を実施、その集計結果を10月下旬に公表している。
毎月の広告費について尋ねたところ、「50万円未満」が回答全体の34%と最も多く、次いで「500~1000万円未満」の17%となっている。分布を見ると「500万円以上」の31%と「500万円未満」に二極化しているようだ。
「Web広告運用はどこで行っているか」という質問を複数回答で行ったところ「自社で運用している」が76.4%で最も高く、次いで「代理店に任せている」が62.7%、「知人」が18.0%の順となっている。運用主体別に毎月の広告費規模の構成比を見ると、「自社運用」では「50万円未満」32.5%であるのに対して、「代理店」では18.8%となっている。逆に「500万円以上」の比率は「代理店」が「自社運用」より相対的に多くなっており、毎月の広告費が多い企業では代理店運用にする傾向があるようだ。
近年の広告費の増減については、「大幅に上昇」と「上昇」を合わせて57%で約6割の企業で上昇傾向だ。毎月の広告費規模別で見ると、50万円未満では「大幅に上昇・上昇」が38.7%であるのに対して、「1000~3000万円未満」では同比率が86.7%、「3000万円以上」では100%となっており広告費規模により大きな格差が見られる。
「Web広告の費用対効果」については、「非常に良い」16%、「良い」が36%で両者を合わせ52%、半数超えの企業が効果を感じている。この効果の実感についても毎月の広告費規模と比例する関係がみられる。
業種により広告効果は様々で一概には言えないが、Webマーケティングを制した者が市場を制する時代に移行しつつあることは間違いないであろう。(編集担当:久保田雄城)