辺野古基地建設再開へ、政府の姿勢浮き彫り

2018年11月02日 06:05

 沖縄県名護市辺野古への新基地建設へ沖縄防衛局が辺野古沿岸の埋め立て工事再開に向けて1日準備を始めた。

沖縄県の玉城デニー知事が政府に話し合いを求めているにもかかわらず、安倍晋三総理はじめ岩屋毅防衛大臣、菅義偉官房長官ら閣僚は「抑止力を維持しながら普天間基地の危険を除去するには辺野古への代替基地建設が唯一の解決策」と決めつけ「一刻も早い移設」をと強行に進める姿勢が浮き彫りになった。

 今回の沖縄県の辺野古沿岸埋め立て承認撤回措置に対し、沖縄防衛局が撤回措置の効力停止を石井啓一国土交通大臣に求め、石井大臣が申し立てを受け入れる政府内でのシナリオ通りの手続きによるシナリオ通りの決定も一刻も早く辺野古新基地を完成させたい狙いから。

 社会民主党の吉川はじめ幹事長は同日、海上作業再開に断固抗議するとの談話を発表。この中で吉川幹事長は「政府は今回の対応は沖縄県の承認撤回効力を停止する国交相決定に基づくものというが、国民の権利利益の救済を目的とする行政不服審査法の明らかな濫用であり、新基地建設ありきの自作自演の出来レースにほかならない」と問題点を挙げた。

そのうえで「今回の決定に多くの行政法学者からも『法治主義の目的、理念を逸脱する』などの批判が出されている」ことをあげ「沖縄県の提出した意見書を真摯に受け止め、十分検討した形跡も見られない。野党一致結束し、国会で追及していきたい」と政府の責任を追及する考えを鮮明にしている。(編集担当:森高龍二)