石井啓一国土交通大臣は30日、沖縄防衛局が、沖縄県が行った辺野古沿岸埋め立て承認撤回措置に対し、行政不服審査法に基づき承認撤回の効力の執行停止を求めた件について、申し立て通り「執行停止」決定を下した。
岩屋毅防衛大臣は同日の記者会見で「内容の詳細については、まだ確認しておりませんので、お答えは差し控えたい」としたうえで、今後の埋め立て工事について「現地の気象状況を踏まえ、工事の再開に向けた準備が整い次第、速やかに再開させていただきたい」と工事再開の考えを明確にした。
また岩屋防衛大臣は「私どもは日本を守るための抑止力を維持しながら、沖縄の負担軽減をしっかり図っていきたいという方針で進めてきた。危険な普天間基地については一日も早い全面返還を成し遂げたい。そのために工事もできるだけ速やかに再開させていただきたい」と強調した。
今回の件を受け、沖縄県の玉城デニー知事が上京予定で、この件について直接話す考えはとの記者団の問いには「知事の予定を承知していない。これから検討する」とのみ答えた。
沖縄県の謝花喜一郎副知事は「翁長(前)知事が命がけでやったものをいとも簡単に決定されたことに県民は本当に怒っている。単に沖縄県だけの問題ではない。国と異なる政策を一地方自治体が行った場合、国は事業者としての省庁が関係省庁に申し立て、行政不服審査手続きを行う。そうであれば地方自治はありえなくなる」とこうしたやり方を問題視した。(編集担当:森高龍二)