日ロ交渉加速、対北は金委員長と向き合うと総理

2019年01月30日 08:54

 安倍晋三総理は第198回国会での施政方針演説で日ロ関係について「国民同士、互いの信頼と友情を深め、領土問題を解決し、平和条約を締結する。戦後70年以上残されてきた課題を次の世代に先送りすることなく、必ずや終止符を打つ、との強い意志をプーチン大統領と共有した」とし「首脳間の深い信頼関係の上に、1956年宣言を基礎として交渉を加速する」とアピールした。

 また北朝鮮との関係では「北朝鮮の核、ミサイル、拉致問題の解決に向け、相互不信の殻を破り、次は私自身が金正恩委員長と直接向き合い、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動する」とした。

 安倍総理は「北朝鮮との不幸な過去を清算し、国交正常化を目指す。そのために、米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携していく」と語った。

 安倍総理の施政方針演説では中国との関係について「昨秋の訪中で日中関係は完全に正常な軌道へと戻った」とし「国際スタンダードの下で競争から協調へ、互いに脅威とはならない、自由で公正な貿易体制を共に発展させていくことを習近平主席と確認した。今後の両国の道しるべとなる三つの原則の上に、首脳間の往来を重ね、政治、経済、文化、スポーツ、青少年交流をはじめ、あらゆる分野、国民レベルでの交流を深めながら、日中関係を新たな段階へと押し上げていく」と建設的な姿勢をみせた。

 一方、韓国との関係については、対北朝鮮で「米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携していく」との文言にとどめており、日韓関係が徴用工問題や慰安婦問題、レーダー照射問題をめぐる一連の関係で触れ方によれば傷口をかえって広げかねないこともあり、配慮したとみられる。(編集担当:森高龍二)