マツダCX-8、2018年「3列シートSUV」セグメントで国内販売トップを達成した理由

2019年02月01日 07:02

Mazda CX-8 3rd-Seat_SUV

2018年に前年比180%の伸長を示した「3列シートSUV」セグメントのなかで、シェア50%、暦年3万0679台を販売したマツダCX-8

 マツダのクロスオーバーSUV「マツダCX-8」が、国内3列シートSUV市場において2018年に3万0679台を販売し、このセグメントで販売台数第1位を獲得したと発表した。

 CX-8は、3列目まで大人がしっかり座れるパッケージングに、上質かつ洗練されたデザイン、街乗りから高速走行までドライバーの意図どおりに走り、そしてすべての乗員が安心して移動時間を楽しめる快適性・静粛性を兼ね備えた、マツダ国内最上位の3列シート仕様のSUVだ。

 同社が2017年12月にCX-8を導入して以降、国内3列シートSUV市場は拡大しており、2018年の販売台数は2017年比で180%を超える成長を遂げた。そのなかでCX-8はシェア約50%を占め、セグメントをリードするモデルだ。

 この3列シートを備えたSUVは輸入車に多い。メルセデスGLSをはじめBMW X5、アウディQ7などの上級ドイツブランドのほか、ボルボXC90、レンジローバーなど高級ブランドが揃う。国内でもトヨタが100系ランドクルーザー、同プラドにラインアップ、古くは三菱パジェロのロングボディ、いすゞ・ビッグホーンなどにもあったレイアウトだ。日産エクストレイルを含め、近年では、CX-8のライバルとして、ホンダCR-Vや三菱アウトランダーなどもラインアップしている。

 いまCX-8が消費者の支持を集めたわけは何だろう。ひとつには「家族や友人とのドライブには多人数乗車が必要だがミニバンはもうたくさん、走りやデザイン性も諦めたくない」と考える消費者から、この多人数乗車仕様SUVの提案が新たな選択肢として受け入れられたと思われる。

 実際、CX-8は幅広い世代から、「多人数乗車が可能ながら、かっこよさを感じる」「乗り心地のよさや静粛性は想像以上」「3列目は座り心地も広さも十分」と評価され、月間販売計画台数1200台を超える好調な販売を続けている。

 CX-8は先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を標準装備し、安全装備を充実。平成29年度のJNCAP自動車アセスメント衝突安全性能評価で「衝突安全性能評価ファイブスター賞」を最高得点で受賞。同アセスメントの予防安全性能評価においても平成29年度最高ランクとなる「ASV++」を満点で獲得するなど、衝突被害軽減から事故リスク低減まで、優れた安全性能が評価された。

 2018年10月には、2種類のガソリンエンジンを設定し、多様なニーズに応えるエンジンラインアップとし、高速走行での車線変更時や滑りやすい路面での車両の挙動を安定させ、より安心感を高める「G-ベクタリング・コントロールプラス」を導入し、継続して商品力の向上を図った。

 前述したように、3列シート仕様のSUVとしてCX-8のライバルは少なくない。しかし、輸入車について言えば、1000万円に達する車両価格がネックで手を出しにくい。国産ライバルには魅力的なモデルもあるのだが、今回のCX-8の成功は「3列シートSUV」という端的で分かりやすい商品性を前面に打ち出したPRが奏功したものと思われる。(編集担当:吉田恒)