政府には記者を選ばず問いに答える姿勢が必要

2019年02月28日 09:11

 菅義偉官房長官が26日の記者会見で東京新聞社会部の望月衣塑子記者から「記者会見は政府の為でもメディアの為でもない。国民の知る権利に応えるためにある。長官は一体何のための場だと思っているのか」と問われ「あなたに答える必要はありません」と述べたことが波紋を呼んでいる。

 菅長官は27日の記者会見で「国会や記者会見で累次にわたり、官房長官の記者会見は記者からの質問に対し、政府の見解や立場を答える場だと述べてきた。あえて繰り返す必要はないということで申し上げた」と釈明した。しかし、「あなたに答える必要はない」というのは記者を特定して排除している発言だけに、政府にとって不都合な質問を繰り返す記者に対して排除の意識があるようだ。

 望月記者の問いに対しては質問が始まると上村秀紀報道室長が「簡潔にお願いします」と何度も遮断するようにも受け取れる発言を繰り返している。新聞労連は今月、特定記者の質問を制限するものだとして抗議。記者会見を通し記者の質問に政府が答えることで政策や政府の立場が国民に伝わる。政府には真摯に答えることが求められる。(編集担当:森高龍二)