当面の参院歳費削減後、3年以内に新削減策を

2019年04月21日 13:21

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参院議員会館に3人分の議員事務室改修工事が行われているが、1億8700万円かかるそうだ

 7月の参院選挙ではこれまでの議席より「3議席増える」が、自民、公明は国民に新たな負担を強いない約束から議席増による歳費増加分を既存の歳費削減でカバーするとしてきた。

 その一環に出されたのが7月からの3年間期限付きでの議員一人あたり月額7万7000円の削減案だ。週明けから審議入りを与党は決めた。

 議員歳費削減に野党からは「お茶を濁す案だ」「議員の立場の問題なのでしっかり議論すべき」「与党の出した歳費削減法案では『そろばん勘定』が合っていない」などの声もある。

 参院議員会館に3人分の議員事務室改修工事が行われているが、1億8700万円かかるそうだ。

 「与党の都合で6増(今年7月の選挙で3増、3年後の選挙でさらに3増)を決めておきながら、6人分の給料をみんなの給料削減で賄うとか、期限が3年はおかしい。まやかしだ」との批判もある。

 6人分の部屋では約4億円。歳費削減法では事務所新設費用までは賄えないので、勘定が合わないというものだ。

 ただ、歳費削減議論が長引き、結局、具体化がどんどん先送りされることは避けるべき、というのが素直な国民感情だ。まず具体的に、一歩でも二歩でも歳費削減の実効をあげてほしい。

 そのためには自公が提出した時限法案をまずは審議し、野党は対案を提出し、審議に出席し、歳費削減法案の議論を深め、今国会でひとつの答えを出してほしい。

 そして、3年の間に議員削減も含め、議員も国民も納得のいく答えを導き出して頂きたい。与党側の委員会運営が強引だとして野党は伊達忠一参院議長に健全な運営をするよう要請したが、運営の強引さには問題があるものの、法案の審議には臨んでいただきたい。

 これまでの与党の強引な国会運営「不都合な予算委員会の開催には応じない」、「自分たちが通したい法案のためには強引に委員長職権で委員会を開く」。まったく国民から見ても理不尽だが、議員歳費削減の今回の法案については最低ラインの約束のひとつであり、まず、成立させるか、より切り込んだ歳費削減法案を通すか、今国会中に答えを出すのは国会議員の責任だろう。

 そのうえで、次の新削減案を3年の時間をかけ検討し、国民に成果を示してほしい。国会議員は人件費(議員歳費と議員秘書手当)義務的経費(文書通信交通滞在費や立法事務費など)で年間1人あたり7500万円の税金(歳費)を使っていることを改めて自覚し、国民の期待に答える活動をしてほしい。そう願うばかり。(編集担当:森高龍二)