ハラスメント被害者「やる気喪失」5割超、「心身不調」、「退職」2割

2019年06月10日 06:44

画・ハラスメント被害者「やる気喪失」5割超、「心身不調」、「退職」2割~連合調べ

連合が「ハラスメントに関する実態調査2019」を実施。「職場でハラスメントを受けた」全体の38%。ハラスメントを受けた女性の38%がセクハラ被害者。ハラスメントを受けた20代の3割近くが離職。

 1985年男女雇用機会均等法が成立、これを契機にセクハラ(セクシャル・ハラスメント)という言葉が一般化し、他者を不快にさせる言動が望ましくないものであると社会的に認知されたのは30年以上も前のことだ。その後、パワハラなど様々なハラスメントの存在が指摘されハラスメントのない社会の実現が行政や企業などによって努力されてきた。

 ハラスメントはその当事者のみでなく周りにいる第三者も不快にさせるもので明らかに社会的な問題である。にもかかわらず未だセクハラをはじめ様々なハラスメントが日常的に行われているというニュースが後を絶たない。

 連合(日本労働組合総連合会)は今月6月に開催されるILO(国際労働機関)総会において「仕事の世界における暴力とハラスメント」に関する条約案が採択されるよう日本政府に条約案の支持と批准を求めている。そこで、連合は5月、この条約の必要性を明確にするため全国の20~59歳の男女1000名をサンプルに「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019」を実施、同月28日にその結果を公表した。

 調査結果によれば、「職場でハラスメントを受けたことがある」と答えた者の割合は38%で、実に4割近い者がハラスメントの被害者だ。ハラスメントの内容を見ると、「脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的な攻撃」が41.1%で最多、次いで「業務上不要、遂行不可能なことの強制、仕事の妨害、過大な要求」が25.9%、「私的なことに過度に立ち入る等の個の侵害」が22.7%など、パワーハラスメントに該当するものが上位を占めている。「セクシュアル・ハラスメント」に該当するものは26.7%であった。

 「誰かに相談したか」との質問には、「相談した」は56.0%、「誰にも相談しなかった」は44.0%で半数近い者が誰にも相談できない状況のようだ。ハラスメントを受けた者の54%が「仕事のやる気を喪失した」と答えており、また「心身不調」は22%、「退職・転職」が19%となっている。世代別にみると、20代では「離職」が27.3%と他の世代と比べて高く、特に20代女性では33.3%と3人に1人が離職に至っている。

 ハラスメントは明らかにモチベーションを喪失させ生産性を下げる要因となっており、モラルや人権の問題であることは当然のことであるが、それのみでなく経営管理の問題としても深刻に認識すべきであろう。(編集担当:久保田雄城)