参院選で問われる最大の「選択」

2019年06月23日 09:31

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改憲を選ぶのか、その道を阻止するのか。7月の参院選で問われている。

 沖縄タイムスが19日夕の電子版で、米オンライン軍事紙「ディフェンス・ニュース」が米軍保有の最新鋭ステルス戦闘機「F35には13の最も重大な欠陥がある」とし、米海兵隊のF35Bには「飛行中に一定の速度を超えるとステルス性能を喪失する新たな欠陥などが見つかった、と報じた」ことを伝えた。

 「ドッグファイト(空中戦)など、特定の操縦法の後、予期せぬ機首の上下変動が起こり、制御が困難となる恐れがある」との例もあげている。

 航空自衛隊三沢基地(青森県)のF35が高速のまま海面に激突、パイロットが死亡した墜落事故について、防衛省はパイロットの「空間識失調が原因と推定される」と機体に問題はなかったと強調しているが、F35の安全性は本当に担保できているのか、疑いは消えない。

 昨年9月に米国で発生したF35B墜落事故では米政府監査院が「製造上の欠陥で燃料管が破裂してエンジン出力を失ったことが原因と認定。これを受け、米国防総省が世界に配備されているうちの4割(117機)が同じタイプの燃料管を使っていたとして昨年末までに大部分を交換した」という。

 こんな状態下で、政府は空母(多用途運用駆逐艦と政府は呼ぶが・・)で離発着可能な「F35B」(短距離離艦・垂直着艦ができる)42機と通常型の「F35A」105機の計147機導入を決定した。

 米国にとって日本は武器購入の上得意になった。「日本は最大の(F35)購入元だ」「日本は世界最高の空軍を持つことになる」と米トランプ大統領が5月の訪日時に、日米共同記者会見や護衛艦「かが」を訪れた際に語った。

 山口県と秋田県に配備する陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の購入も同様だ。軍事専門家は配備の位置に「山口はグアム、秋田はハワイに向かうミサイル防衛の米国最前線基地になる」としている。岩屋毅防衛大臣は「それは全くあたらない」と全面否定するが、地図上の位置から見て否定できない。

 秋田、山口が「配置の適地」とする説明にも、防衛省がそこまで単純なミスをするだろうか、と思われるミスがみつかるなど、当初から「秋田、山口への配備ありき」で資料が後付けされたのでは、との疑義が生じ、地元はもちろん、地元外でも不信感が生まれている。

 岩屋大臣は21日の記者会見で「現地で実測し、正確なデータで説明資料を作り直し、正確な説明ができるよう全力で取り組みたい」と信頼回復に努めることを強調した。この地が最適と本当にいえるのか、そもそもイージス・アショアが必要なのか。イージス艦は6隻体制から8隻体制へ最新鋭のミサイル防衛システムを搭載する2隻を建造中だ。

 加えて秋田、山口への配備には米国戦略国際問題研究所(CSIS)が昨年5月の報告書で「(日本の)イージス・アショアはハワイ、グアム、米本土東海岸といった死活的な地域や戦略的な港湾・基地を防護することができる」(日本共産党機関紙「赤旗」)としており、ハワイ基地・グアム基地防衛最前線基地との専門家の見方に符合する。配備の必要性とその場所の特定過程の説明がさらに必要なのではないか。

 膨らみ続ける防衛費とトランプ大統領の求めに応じた防衛装備の購入。安倍総理が強調する「かつてない日米同盟」は「かつてない日米軍事同盟」、米国のために血を流すかもしれない危険な関係に走り出しそうな危惧を払拭できない。(編集担当:森高龍二)