菅義偉官房長官は7月31日の記者会見で、米国のボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が7月21日、22日に来日した際、河野太郎外務大臣らに在日米軍駐留経費を5倍にするよう求めた旨を伝えた朝日新聞報道に対し「そのような事実はない」と否定した。
菅官房長官は「日米両政府の合意に基づき、適切に分担されている」と強調。ただ、米トランプ大統領は、日米安全保障条約は不公平との不満をもっているほか、韓国に対しても在韓米軍駐留経費の負担を年間8億ドルから16億ドルにするよう要求し、落としどころで10億ドルに増やした。
それでも中央日報はボルトン氏が7月23日、24日に訪韓した目的は防衛費分担金「50億ドルの要求」と報じた。10億ドルの5倍に相当する額へのさらなる要求をしたことになる。一方、聯合ニュースは韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が7月30日の国会外交統一委員会全体会議で「具体的な負担額は取り上げられなかった」と説明したと報じた。康外交部長官は「このさき、交渉をしながら合意点を見出していく」考えを述べたとしている。
日本は2016年~2021年に在日米軍駐留経費として9465億円の負担を行うことを在日米軍駐留経費負担に係る新たな特別協定で約している。2022年以降をどうするか、更新時期を迎えていることから、駐留経費負担の大幅増要求があったのか、なかったのか、時を要せず明らかになってくる。(編集担当:森高龍二)