経済産業省は「脱炭素化要請を背景とした再エネの主力電源化に向けた環境整備と安定供給を実現していくための電力システムの持続可能性確保を両立させる制度の在り方を一体で検討する」とし、27日、総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の下に「再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会」と「持続可能電力システム構築小委員会」を設置した。
持続可能電力システム構築小委員会は高レベル放射性廃棄物の最終処分問題が進まない中で、エネルギーの安定確保などを理由に原発の新増設にまで踏み込んだ意見をまとめる可能性がある。
委員長の山地憲治地球環境産業技術研究機構副理事長・研究所長は「原発」の有用性を認める人物。委員長を除く委員会委員11人の中には日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会理事の村上千里氏もいるが、原発メーカーIHIの水本伸子取締役常務執行役員、日本経済団体の小野透資源エネルギー対策委員会企画部会長代行らが入っている。
総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の会長は榊原定征日本経済団体連合会元会長。経団連は原発再稼働のみでなく、新増設の必要を提案している団体。安倍晋三総理は先の参院選に合わせた日本記者クラブ主催各党党首討論会で「原発の新増設は認めない」の挙手での問いに、ただ一人挙手せず、新増設に余地を残した。小委員会が今後、どのような持続可能電力システムを示すのかが注目される。(編集担当:森高龍二)