地方経済、全国的に「回復基調」。東北で「弱さがみられる」~内閣府

2019年09月24日 06:47

画・地方経済、全国的に「回復基調」。東北で「弱さがみられる」~内閣府

内閣府が地域経済動向(8月)を公表。景況判断は沖縄の「着実に回復」を除き全国11地域で「緩やかな回復基調」。7地域で「一部に弱さ」。東北では「弱さが見られる」ものの国内経済は堅調。

 10月の消費税増税を前に国内景気の動向が注目される。中国をはじめとする世界経済の動向に減速感がみられるものの国内経済の各種指標は堅調な数字を示している。世界経済減速の国内経済への影響も懸念されているが今のところその影響は軽微のようだ。

 先月30日に内閣府が「地域経済動向(8月分)」(第2四半期分)を公表しているが、全国12地域の景気動向は順調に推移している模様だ。4-6月における地域別の景況判断(景気の変化方向)をみると、沖縄地域の「着実に回復している」、東海の「緩やかに回復している」のほか10地域で「緩やかな回復基調が続いている」となっており、全国12地域の全てで「回復」もしくは「回復基調」となっている。

 また、「緩やかな回復基調が続いている」10地域のうち、東北で「弱さがみられる」となっているほか、北海道、北関東、南関東、甲信越、北陸、近畿、四国の7地域で「一部に弱さがみられる」となっている。残りの中国、九州の2地域は「緩やかな回復基調が続いている」のみで弱さはみられない。

 「弱さが見られる」とされた東北では「個人消費は底堅く」、「雇用情勢は着実に改善」しているものの鉱工業生産が横ばいで、電子部品・デバイス、複合部品等、清涼飲料等、化学・石油製品、生産用機械が減少となっている。弱さが見られず「緩やかに回復」とされた東海では輸送用機械の国内向け生産が堅調であったもののスマホ用集積回路、液晶では減少が見られる。 「着実に回復」の沖縄は主力の観光が堅調なほか、消費、雇用も順調に増加・改善している。

 分野別には、生産が東海で緩やかに増加、九州は高水準、中国持ち直し、北陸弱含みで、他はおおむね横ばい。消費は沖縄が堅調、東海、北陸で緩やかな増加のほか、全国的に持ち直し・底堅く推移となっている。雇用情勢を失業率で見ると北関東、四国でわずかな上昇が見られるものの全国的に低下もしくは横ばいとなっている。

 景況判断の第1四半期からの変更状況を見ると中国、四国で上方変更、北海道、九州で下方に変更された他は横ばい・据え置きとなっている。

 全国的に堅調な推移となっているものの弱含みの部分で輸出関連品目が目立っており、今後も海外経済の影響を注意深く見守る必要がありそうだ。(編集担当:久保田雄城)