日米首脳会談で、当初予定していた日米交易交渉合意の署名が見送られるとの報道について、菅義偉官房長官は24日午前の記者会見で「8月末に関係閣僚間で意見の一致をみたうえで、それを両国首脳間で確認している」とした。
菅官房長官は「国連総会を念頭に協定の案文調整を含め、残されている作業を加速化させているところ」と語った。
菅官房長官は「(本日午前)現在、合意に至ったという報告は受けていないので、日米双方にとってウインウインとなるような協定を目指していきたい」と強調した。
またトウモロコシの前倒し購入について「農林水産省から関係団体に説明してきた。現在、各飼料メーカーで検討しているところ。トウモロコシの購入と日米貿易交渉というのは全く別問題」とした。
また消費者の間に政府から忖度するよう無理強いされないか、警戒感も広がっているようだが、政府間では追加購入の約束はしていないのに、安倍晋三総理は米国のトランプ大統領のメンツを保つために対応したのか、との記者団の問いには「(そのようなことは)全くない」と断じた。
米国の余剰トウモロコシ購入については8月25日の日米首脳会談後の共同記者会見でトランプ大統領が「(中国が約束を守らないために米国で余剰となったトウモロコシを)日本がすべて買ってくれることになった」と日本がトウモロコシ購入に同意した旨語り「農業従事者にとって素晴らしいものだ」とした。安倍総理は、民間セクターが購入に対応する旨を示した。
吉川貴盛農林水産大臣(当時、8月30日現在)はトウモロコシ275万トンの前倒し購入に民間の保管料と購入資金の金利等を定額支援するとし、前倒し購入理由について「虫害のためで、米国で飼料用トウモロコシが余ったために実施するものではない」と緊急措置だと強調した。(編集担当:森高龍二)