日米貿易協定合意内容に野党相次ぎ問題提起

2019年09月27日 09:21

 日米貿易協定の最終合意に野党党首から厳しい批判が出ている。国民民主党の玉木雄一郎代表はツイッターで「結局、日本車に対する①追加関税の回避や②自動車関税の撤廃の確約もないのに、農産物だけ譲ったのが今回の交渉の本質だ」と問題を指摘。

 そのうえで「こんなつまみ食い的で中途半端な自由化ではGATT24条が求める『実質的に全ての貿易』について関税撤廃にはなっておらず、WTO協定に違反するような中身だ」と国会で追及していく姿勢を鮮明にしている。

 日本共産党の志位和夫委員長は「米国トランプ大統領の要求に日本側が一方的に譲歩するものとなった」と指摘し「トランプ大統領が米国の農業団体代表を首脳会談に同席させ、『米国の農家にとって巨大な勝利』と述べたことに象徴されている」とコメントを発表した。

 志位委員長は「日本は牛肉、豚肉などの米国畜産物の関税を大幅に引き下げる一方で、米側の自動車・自動車部品の関税削減は先送りされた。アメリカへの「TPP並み」関税撤廃・削減による、農業、畜産業をはじめ日本の地域経済、国内経済への打撃は他のTPP諸国の比にならない」と影響の大きさに警鐘を鳴らした。

 志位委員長は「安倍首相は『TPP合意以下』と言うが、畜産物などの低関税枠を別枠で設け、アメリカ産トウモロコシの大量輸入を約束するなど、アメリカを特別扱いする『TPP越え』が明らかになっている」と指摘。

 そのうえで「日本共産党は今回の合意を受けた協定の国会承認を許さず、日米FTA交渉の中止を強く求め、国民とともにたたかう決意を表明する」としている。(編集担当:森高龍二)