萩生田光一文部科学大臣の「身の丈」発言に批判の声が相次いでいる。立憲民主党の枝野幸男代表は「大臣の責任をしっかり問うていかなければならない」と文科大臣の姿勢を厳しく質すとした。枝野代表は「(公選法疑惑が報じられ辞任した)菅原一秀前経済産業大臣の問題以上に深刻な問題だ」と指摘した。
萩生田大臣は民報BS番組で再来年から大学入学共通試験に導入される民間英語試験を巡り「身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」などと教育環境の格差を是認するような発言をしていた。
枝野代表は「教育の機会均等は生まれ育った家庭環境によって全部イコールにはならない現実がある。そのなかで、それをいかにイコールにしていくのかが政治の役割だ。政治の側がそれを放棄してしまっているような姿勢は文部科学大臣としてあるまじき発言で、菅原大臣の問題以上に深刻な問題だ」と提起した。
国民民主党の玉木雄一郎代表も「強い憤りを感じる」とし「文部科学行政というのは経済的格差や地域格差を是正して、すべての子どもたちに等しく学ぶ機会を提供する環境をつくることが一番の肝だ。それが文部科学大臣としてその格差を容認するような発言は看過できないし容認できない。強く抗議する」とした。
日本共産党の志位和夫委員長はツイッターで「文科相の『身の丈』発言は、次のように憲法を読み替えた恐るべき発言だ」とし「憲法26条『すべて国民は等しく教育を受ける権利を有する』→『すべて国民は身の丈にあった教育を受ける権利を有する』。憲法が保障した教育の機会均等を乱暴に否定する、文科相として決して許されない暴言だ」と重大な問題だと指摘した。
民間事業者による英語試験導入を巡っては経済的格差、地位的格差、運営の公平性公正性に問題が提起されている。立憲・国民・共産・社民・社保は問題が多すぎるとして導入延期の法案を24日に衆議院に提出している。(編集担当:森高龍二)