レクサスが東京モーターショーで発表したEVコンセプト「LF-30 Electrified」、バッテリーの低床配置による慣性特性の向上や4輪のインホイールモーター制御による高度で自由度の高い運動性能を実現した
2019年10月25日から一般公開されている第46回東京モーターショー2019でレクサスは、次世代の電動化戦略「Lexus Electrified」を発表し、この電動化戦略を指し示すEVのコンセプトカー「LF-30 Electrified」を世界初公開した。
今回発表した「Lexus Electrified」は、電動化技術を用いて車両の基本性能を大幅に進化させ、自動運転や電動化などモビリティ社会が変化し続けるなかでも、クルマがもたらす楽しさ・喜びを提供し続けることを目指す思想だ。
具体的には、ハイブリッドで培ったモーター制御技術を軸として、パワートレーン、ステアリング、サスペンション、ブレーキなどを統合的に制御。走行シーンに応じた適切な駆動力をコントロールして理想的な車両姿勢を実現。安心安全で運転する楽しさをも内包したクルマづくりを目指す。
今後レクサスはHV、PHV、EV、FCVなど、2025年には全車種に電動車を設定し、電動車の販売比率がガソリンエンジン車の比率を上回ることを目標とする。2019年11月にレクサス初のEV発表を予定しており、2020年代前半にPHVやEV専用モデルを投入する計画だ。
今回発表したLF-30 Electrifiedは、「Lexus Electrified」を象徴するコンセプトカーだ。自動運転を初めとする新技術を積極的に織り込むことで、独自の世界観確立を目指した。インホイールモーターを採用することで可能となったEVの新しいデザインに挑み、LF-30 Electrified独自のエネルギーフローを視覚的に表現した。
ボンネットのないフォルム、フロントからリヤまで、ひと続きとなるウインドゥガラスと張り出したフェンダー、翼形状のヘッドライトでスピンドルを形成。流麗なフロントから直線的でシャープなリヤ形状へと推移する個性的なボディ形状としたほか、翼形状のヘッドライトやリヤライトおよびサイドエアインテークなど、優れた空力性能や冷却性能を意識し、機能とも融合したデザインとした。
サイドウィンドゥの透過率を自由に変化させ、景観を楽しめる広い視界と夜間などにおける高いプライバシーを実現したのも特徴だ。
Lexus Electrifiedが目指す「電動化技術を用いた車両基本性能の大幅な進化」を実現するため、モーターの駆動力制御による車両運動制御技術「Lexus Advanced Posture Control」などの先進技術を数多く採用。バッテリーの低床配置による慣性特性の向上や4輪のインホイールモーター制御による高度で自由度の高い運動性能を実現した。加えて、高トルクモーターの駆動力を自在に制御することで、前後の駆動輪を完全に独立して制御。FF、FR、AWDなど、走行シーンに応じた適切な駆動方式を提供することができる。
またLF-30 Electrifiedは最新の自動運転技術コンセプトに基づき、ショーファーモード・ガーディアンモードを備えた最先端の運転支援機能を採用。自動運転中も乗員が快適かつ安心な時間を過ごせるよう、Lexus Advanced Posture Controlテクノロジーをはじめとする先進技術を活かし、きめ細かく車両挙動を制御する。加えて、自宅の駐車場から玄関までの自動運転による迎車機能などにより、高い利便性も実現しているという。(編集担当:吉田恒)