「桜」来年中止も、総理の説明責任はこれから

2019年11月14日 06:28

 各界で功労功績のある人を招待し、公費で催す総理主催の「桜を見る会」に安倍晋三総理地元事務所(山口県)の案内で総理の後援者ら800人が招待されていた疑惑の解明が求められる中、安倍総理は13日夕、来春に予定していた「桜を見る会」を自身の判断で中止したと記者団に語った。

 菅義偉官房長官が記者会見で中止を発表した。その判断を総理は「自身がした」と述べた。菅官房長官は「様々な意見があることを踏まえ、桜を見る会について『政府として招待基準の明確化』や『招待プロセスの透明化を検討したい』。予算や招待人数も含め全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行う」と見直しを明確にした。そのうえで「来年度の桜を見る会は中止することにした」と述べた。

 一方、立憲民主党の安住淳国対委員長は「今国会で予算委の集中審議に総理にお出ましいただいて、総理から直接、聞かせていただかないといけない。集中審議を衆参で要求すると(野党の国対委員長会談で)決めた」と集中審議を求めていくとした。

 日本共産党の志位和夫委員長は「すでに実行された行動の責任が問われているのであって、『これからはやりません』といくら言ったところで、『すでに実行された行動の責任』をいささかも免れることはできない」と私物化疑惑の解決にはならないことを指摘。

 志位委員長は「まずは招待者名簿の問題」と述べ「内閣府は『名簿は廃棄』と強弁するも、各省庁の推薦名簿は管理・保存していることが明らかに(なっている)。ならば、すぐに提出せよ。『功労・功績のある方々』の名簿提出を拒む理由はないはずだ」と名簿を公表するよう強く求めている。「功労・功績」に照らし納得できる人らであれば疑惑解消につながるだけに名簿開示が求められている。

 桜を見る会は参加費が無料。会場では樽酒はじめアルコール類やオードブル、お菓子、お土産も無料で用意されている。2014年の参加者は1万3700人、支出額は3005万円と予算の1.7倍。2019年には参加者は1万8200人、支出額は5520万円とさらに予算の3倍にまで膨れ上がっている。(編集担当:森高龍二)